ENEOS/マースク/A.P.モラーHD メタノール製造C2Xに1億ドル投資
Daily Cargo 2025年4月7日掲載
ENEOSとマースク、A.P.モラー・ホールディングは、グリーンメタノール製造を行うC2X(シーツーエックス)に1億ドル(約146億円)を共同で投資することに合意した。ENEOSとC2Xが2日発表した。各国の規制当局の認可を受けることが条件となる。C2Xは、米国ルイジアナ州アレクサンドリアでサンガス・リニューアブルズとともに進めているビーバー・レイク・リニューアブル・エナジー(BLRE)・グリーンメタノールプロジェクトで活用する方針。
C2XはA.P.モラー・ホールディングとマースクによって23年に設立された会社。グリーンメタノールの大規模生産を行い、2030年までに年間300万トンの生産を目指している。C2Xはマースクをはじめとする海運、化学、工業セクターの顧客とのグリーンメタノールの長期契約確保に向けた協議を進めている。
今回の投資プロジェクトが稼働すれば、年間50万トン以上のグリーンメタノールが生産可能となる。サンガス・リニューアブルズが持つガス化システム「S-1000ガス化システム」を活用することで、バイオマスを低炭素メタノールに変換する。また、ガス化プロセスで発生する年間約100万トンのバイオジェニックCO2を回収して恒久的に隔離することで、高品質かつコスト競争力のあるCO2除去由来のクレジットを創出する。使用するバイオマスについては、閉鎖された製紙工場でかつて使用されていた木質バイオマスを受け入れる。化石由来の炭素ではなく、植物や樹木の残渣に含まれる生物由来の炭素をベースとしてグリーンメタノールを製造する。2026年後半の着工を目指している。
C2Xのブライアン・デービスCEOは、「既存株主の変わらない支援に感謝する。そして新たなパートナーとなるENEOSをC2Xへの重要な投資者として歓迎する」とコメントした。ENEOSの大立目悟次世代燃料部長は、「グリーン燃料のパイオニアであるC2Xとの連携を心待ちにしている。商業的に競争力があり経済性に優れるBLREを支えるため、サンガスが持つ業界トップのガス化技術システムが選択された。投資にはC2Xとの戦略的パートナーシップが含まれている。サンガスのガス化技術を自社システム・ポートフォリオに適用することなどを検討していく」とコメントした。
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