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ハパックロイドCEO「ジェミニは順調にスタート」USTR提案は大幅修正を予想

Daily Cargo  2025年3月24日掲載


ハパックロイドのロルフ・ハベン・ヤンセンCEOは20日、ドイツ・ハンブルクで記者会見を開催し、今後のマーケット見通しや事業戦略について語った。今年2月から開始したマースクとの長期業務協力「ジェミニ・コーポレーション」については、「非常に良いスタートを切った」と説明。既に目標とするコンテナ船のスケジュール順守率90%を達成しており、競合他社との差別化につながっているとし、引き続きスケジュールの信頼性向上に注力していく考えを示した。

ジェミニでは、ハパックロイドとマースクが両社で約340隻、運航規模で約370万TEUのコンテナ船を投入し、29のメインライナーサービスと28のシャトルサービスの計57サービスを展開する。寄港地を絞り込み、自営ターミナルを拠点としたハブ&スポークのネットワークにより、スケジュール順守率を90%以上に高めることを目標にしている。

ヤンセンCEOによると、現時点で46サービスが本格的に始まっており、約200隻が投入済みとなっているようだ。「既に900回以上の寄港を行っているが、スケジュール順守率は約90%を達成している。他のアライアンスなどは40%程度となり、差が開いている。われわれの戦略が正しい方向に進んでいることを示す最初の良い兆候だ」とコメント。一方で、「まだ多くの改善点が残っている。スムーズなサービスの移行を行い、引き続き目標となる90%以上のスケジュール順守率の達成を目指していく」と語った。

ジェミニの柱となるのが、ハパックロイドのターミナル部門であるハンザティック・グローバル・ターミナルズ(HGT)だ。運営ターミナルの拡大を図っており、今月にはフランス・ルアーブル港でアトランティック・コンテナターミナルを運営するCNMP LHの株式60%を取得する方針を発表。現在建設中のエジプトのダミエッタ・コンテナターミナルも今年後半に完成し、運営を開始する予定だ。現在は21ターミナルを運営しているが、2030年までに30ターミナル以上に増やしていく。

今年のコンテナ船市況の見通しについては、「不確実性は高いものの、25年のコンテナ荷動きは最新の予測で約4%の成長が見込まれている。一方で供給面では、昨年と比較して新造船の就航が少ない。地政学リスクにより多少左右される可能性はあるが、需給バランスは24年とそれほど変わらないだろう」と予想する。近年はコンテナ船の発注残が積み上がっているが、「就航時期が25年から30年までと長い期間に分散されているほか、就航中のコンテナ船においても船齢25年以上の船が増えてくる」と指摘する。「コンテナ船は通常、船齢22年から27年程度の間にスクラップされるが、近年はコロナ禍や紅海危機で船舶の必要性が高まったため、スクラップは低調だった。今後はスクラップが増加してくるだろう」と述べた。

紅海情勢に関しては、「2~3週間前は少し楽観的だったが、現在は航行再開時期を予測するのは困難だ」とコメント。一方で、安全が確保された段階で紅海・スエズ運河の航行を再開する方針だ。「航行可能になった際は、港湾混雑を避けるため、一気にシフトを進めるのではなく、段階的に航行を再開する」とした。

米国通商代表部(USTR)が提案している中国建造船に対する米国港湾への入港料課徴政策については、24日に開催予定の公聴会を踏まえ、「最終的な判断がどのようなものになるか見極める必要がある」と語った。「現在検討されている提案を見ると、ハパックロイドのみならず全ての船会社に莫大な追加コストを課すことになる。米国の消費者のコストも上昇し、米国の輸出事業者にも大きな打撃を与えることは明らかだ。このため、公聴会のプロセスを通じて、提案に大きな変更が加えられると考えている」とコメント。結果を踏まえ、「何をすべきか見極める」と話した。

中国建造船に対するリスクが高まる中、発注戦略については、「ハパックロイドは韓国や中国の造船所に発注しているが、現時点でこれが変化するとは考えていない。常に最も経済的に良い条件で最高のコンテナ船をいかにして入手できるかを考えていく」と述べた。


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