鴻池運輸、北米の自動車向け梱包会社買収
Daily Cargo 2024年6月20日掲載
鴻池運輸は17日、カナダとメキシコでデザインパッケージング事業を展開するパイン・バレー・パッケージンググループ(以下、PVPグループ)の持ち株会社「1000868639オンタリオ」(以下、オンタリオ)の株式を取得すると発表した。梱包資材メーカーのカネパッケージ(埼玉県入間市)とカナダに合弁会社を設立し、同社を通じてオンタリオの全株式を取得して子会社化する。買収額は非公表。7月末の株式取得を予定する。
カネパッケージとの合弁会社「コウノイケ・カネパッケージ・ホールディングス」(以下、KKHD)は今月末に設立予定。資本金は1600万カナダドル(約18億円)。出資比率は鴻池運輸が83.2%、カネパッケージが16.8%。買収に当たり、カナダで事業を行う上で税制面のメリットを享受できるよう持株会社としてKKHDを設立する。
PVPグループは、カナダ・トロント市近郊とメキシコ・レオン市に工場を有し、自動車業界向けデザインパッケージ事業を展開する梱包会社。欧米系・日系などの大手自動車メーカーや、ティア1、ティア2の自動車部品メーカーなどと直接取引がある。PVPグループ本社工場は、カナダ国内の顧客に加え米国中西部の自動車業界の顧客をカバーし、また子会社であるPVPグループメキシコ工場は、メキシコ全土の顧客をカバーしている。
オンタリオの直近の業績(23年1月期)は売上高3380万カナダドル(約38億6413万円)、純利益110万カナダドル(約1億2676万円)。
鴻池運輸は北中米エリア事業として、米国・フォワーディング子会社やメキシコ・エンジニアリング子会社にて、生産設備の輸送や据付事業を行っており、これにデザインパッケージを加える事で、既存の顧客に対してプラスアルファの梱包提案、課題の深掘りや、潜在課題の解決などへの貢献が期待できるとしている。また、PVPグループの顧客に対し、フォワーディングやエンジニアリングのサービス提供も可能と考え、PVPグループの持株会社であるオンタリオの株式取得に至ったとしている。
さらに、PVPグループのデザインパッケージのノウハウを、将来的に北中米エリアから、拠点のある中国、アセアン、インドなど各事業エリアや、自動車業界だけでなく電子産業その他業界向けへの水平展開を考えているとしている。
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