札幌・仙台で開発加速、半導体関連需要で CBRE・物流不動産市場動向
Daily Cargo 2024年3月28日掲載
CBREが26日に発表したレポート「地方圏物流不動産マーケットのポテンシャル」によると、札幌市や仙台市の周辺でマルチテナント型物流施設の供給が増加している。半導体工場の進出に伴い、関連産業の物流需要が高まっていることが背景にあるという。また、2024年問題から大都市圏の中間に位置する東北地方や中国地方で物流拠点の重要度が増しており、仙台市のほか広島市、岡山市がターゲットとなっている。
札幌圏では、23年に初めてマルチテナント型物流施設が複数棟竣工。24年には新たに4棟が供給予定で、物流エリアは札幌市周辺から千歳市周辺まで広がりつつあるという。次世代半導体製造のラピダスが千歳市で新工場を建設することから製造業系の需要が浮上しており、24年竣工の物件ではすでにまとまった面積でテナントが内定しているという。賃料も上昇傾向にあり、23年は前年比4.1%増だった。
仙台圏ではマルチテナント型物流施設が23年に1棟、24年に5棟、25年に2棟と開発計画が連続している。コロナ禍で半導体関連産業の保管在庫増のニーズが表面化したほか、SBIホールディングスとファンドリー(半導体受託生産)大手の台湾PSMCが宮城県大衝村で半導体工場の建設を発表しており、今後も物流需要の増加が見込まれるという。賃料は、23年は前年比1.7%増だったが過去4年間では年平均で3.3%上昇しており、リーシング状況によってさらに上昇する可能性があるとしている。
中間拠点としての需要が見込まれる岡山圏では24、25年に計3棟の開発が予定されている。広島圏は25年までの開発計画は立っていないが、23年末に空室が消化されて空室率が0%になるなど、ニーズが活発化している。
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