中東経由のシー&エア増加 DHL・GF航空貨物市況レポート
Daily Cargo 2024年3月1日掲載
DHLグローバルフォワーディング(DHL・GF)はこのほど発表した航空貨物の市場概況レポートで、紅海情勢の影響からドバイなど中東を経由したシー&エア輸送の活用が進んでいると指摘している。南アフリカの貨物ターミナルにも混雑が生じているとし、中華圏の旧正月明けの需要は落ち着いているものの、今後の動向や需要次第ではスペース不足も生じる可能性があるとしている。
需要環境については、1月、2月に世界の航空貨物量(重量ベース)が前年実績を上回ったというワールドACDの統計を引用し、EC(eコマース)の出荷が増えていることと、旧正月前の駆け込み、紅海情勢の影響などが重なり、増加がみられているとした。紅海情勢については、海上から航空へのモードシフトもあり、一部のレーンで輸送スペースにも影響があったという。ただし、2月後半の需要、運賃については落ち着きがみられており、スペース不足は解消に向かう見通しだとも指摘している。
ただし、中国発は今後もファストファッションのEC需要が航空貨物市場で大きなウエイトを占めるとした。落ち込みが続いている北米発は今後改善の見通し。また、欧州発着の見通しは悪くないとしている。
スペース供給量は旅客便の回復によって不足感はないとしているが、紅海地域や中東の情勢悪化、他地域への拡大などの可能性もあると指摘。状況次第で、スペース不足や需要の急増もありうるとしている。ジェット燃料の価格についても、石油在庫の増加に伴い、4~6月は低下が予想されるが、中東情勢の悪化による上昇の懸念もあるとしている。
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