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労働生産性施策などに遅れ確認 第2回物流大綱フォローアップ会合

Daily Cargo  2023年8月10日掲載

 

国土交通省、経済産業省、農林水産省は3日、総合物流施策大綱(2021~25年度)のフォローアップ会合を開催した。大綱の各種施策の進捗管理や検証を目的に年1回開催するもので、2回目の開催となった。約40項目の施策をKPIで進捗管理する中、物流デジタル化の推進に向けた「サイバーポートへ接続可能な港湾関係者数」など最終年度の目標値を上回ったものもある一方で、「トラックの積載効率」「トラック運転に従事する若年層の割合」など労働生産性の改善、労働力不足対策の取り組みでは計画に対しての遅れも確認された。

2021年6月に閣議決定された総合物流施策大綱に位置付けられた施策の進捗管理や検証を行い、各種施策が目的に沿った効果を発揮するよう、必要な調整を図ることを目的とするもの。施策の進捗を定量的に把握するため、各省連携の下、KPIを導入して数値化を行っている。

第2回開催の今回は、各施策のKPIの時系列変化を確認するとともに、達成見通しを4段階(①目標を上回って達成できる、②ほぼ目標通りに達成できる、③目標を達成するためにはさらなる取り組みが必要、④現状値の検証が必要)で示した。

生産性改善、労働環境の整備に関する取り組み・施策については③の評価が多い。「トラックの積載効率」については、策定時の37.7%(19年度)から現状値は1.3ポイント上昇の38.5%(21年度)に留まり、25年度の目標とする50%に対して遅れが見られている。また、「宅配便の再配達率」については策定時の10%程度(20年度)から、11.8%(22年度)となり悪化。ほか、トラックドライバーの労働環境改善についての指標とし、全産業平均までに近づけることを目指す「トラックドライバーの年間所得平均額」「平均労働時間に関する目標」は若干の改善は見られるものの、見通しを③の評価とした。

物流DXに関連した項目では「サイバーポートへ接続可能な港湾関係者数」について23年5月末時点で698者となり、最終年度目標値の650者を既に上回った。「業種分野別の物流標準プラン・ガイドライン等策定数」「物流・商流データ基盤を活用したビジネスモデルの社会実装件数」でも昨秋年度目標に既に達した。一方、「自動化・機械化・デジタル化に向けた取り組みに着手している物流事業者の割合」は前回会合時点から悪化。アンケート手法に連続性が取れていないという課題もあり、現状値の検証が必要とした。

会合ではこうしたKPIの進捗と見通しを踏まえて、一部項目では目標の再設定を行う必要があるとの意見が出たという。また、DXやBCPなどの取り組みについて、大手企業よりも中小が遅れていることから、取り組みを中小企業にも広げる仕組みが必要との意見が出た。ほか、物流の2024年問題に対応する行政の相談受付窓口の設置が要望されたという。


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