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イスタンブールのハブ活用で覚書 DHL・GF/ターキッシュカーゴ

Daily Cargo  2023年5月1日掲載

 

ドイツポストDHLは4月27日、傘下のDHLグローバルフォワーディング(DHL・GF)がターキッシュエアラインズの貨物部門であるターキッシュカーゴと、2社間での関係強化に向けて覚書を締結したと発表した。DHL・GFはイスタンブール空港にあるターキッシュカーゴのメガ貨物ターミナル「SMARTIST」を利用し、グローバルハブの1つとして活用する。

同月25日より開催された国際航空運送協会(IATA)のワールドカーゴシンポジウムにて署名した。覚書に基づき、ターキッシュカーゴはトルコの地理的優位性と同社の航空ネットワーク、イスタンブール空港での専門知識とオペレーション能力を組み合わせ、DHL・GFのハブ展開をサポートする。また両社で協力し、イスタンブール発着貨物の拡大を目指す。

DHL・GFのトーマス・マック航空貨物部門グローバル代表は「トルコは欧州、アジア、中東・アフリカ、米国への物流ハブとして地理的に好位置にある。信頼性が高い輸送能力だけでなく、最先端の物流インフラを提供してくれるターキッシュカーゴと長年のパートナーシップを強化できることを嬉しく思う」とコメント。また、ターキッシュエアラインズのターハン・オゼン貨物部門責任者は「同社のメガ貨物ハブであるSMARTISTと、DHL・GFのグローバルネットワークとの統合は、当社のサービス品質を向上させ、イスタンブールのハブとしての地位をさらに強固なものとしてくれるだろう」とコメントしている。

ターキッシュカーゴは昨年、イスタンブールでの貨物オペレーションを新空港のイスタンブール空港に完全移管し、SMARTISTに集約した。同施設の総面積は20万5000平方メートルで、年間の貨物処理能力は200万トン。第2期開発が完了すれば処理能力は年間400万トンに引き上げられる。設備面では医薬品や生鮮品、貴重品、クーリエ貨物など、特殊貨物専用のスペースを設けるほか、拡張現実(VR)、自動保管システム、ロボティック・プロセス・オートメーション、無人地上車両などのスマートテクノロジーを導入しているのが特徴だ。

DHL・GFは施設活用にとどまらず、ターキッシュカーゴとの新たな提携領域の模索や、関係深化を進めていくとしている。


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