地域の“お店”を配達パートナーに アマゾン
Daily Cargo 2022年12月20日掲載
アマゾンは日本国内で、小売や飲食、サービス業などを営む各地域の中小企業をラストマイルの配送パートナーとして起用するプログラム「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」を開始した。19日、発表した。パートナー企業は本業の隙間時間や閑散期などを利用して商品の配達を行い、副収入を得ることができる。アマゾンは大手配送会社、地域限定配送会社(デリバリーサービスプロバイダ=DSP)、個人事業主への委託(Amazon Flex)に続く4つ目の配送手段として新プログラムを展開していく。
パートナーは自身の店舗・事務所から最大2キロ圏内の配送を行う。配達方法は自由に選択可能で、徒歩や自転車での配達が中心という。既に2020年9月より実証実験として同プログラムでの配達が開始されており、現在パートナー1社あたり1日30~50個の商品の配達を行っているという。報酬は商品1個ごとに支払われる。
今回開始した地域は、東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪、京都、兵庫、愛知、福岡の9カ所。今後、日本全国にも展開していく考えだ。
パートナーの条件は、①事業主であること、②空いた時間に配達可能であること、③商品を保管するスペースがあること――、の3点。これを満たす企業であれば、業種を問わず契約できるという。雑貨店や写真館、レストラン、新聞配達店、居酒屋、美容室、花屋、アパレルショップ、コーヒーショップ、犬のブリーダーなど数百の企業がパートナーとして参加しているという。
19日、都内のアマゾンジャパン本社でプログラムの発表会見を行った。アヴァニシュ・ナライン・シング・アマゾンロジスティクス事業本部長は海外での先行事例を基に新プログラムの開始を決定したと説明した。同様のプログラムは2015年にインドで開始され、スペインやメキシコでも展開されているという。日本は4カ国目となる。「当社のミッションは顧客により良いサービスを提供することであり、ロジスティクス部門では常にベストプラクティスから学んでいる。市場調査や中小企業の数を確認した上で、このプログラムが日本に非常に適していると判断した」という。
会見には実証実験でパートナー参加している事業主も登壇した。「配達で歩くことで健康になった」「本業が忙しい時期に休止するなど、柔軟に参加することができる」「本業の宣伝活動にもつながった」などの実際に業務を行った感想が聞かれた。
※アヴァニシュ・ナライン・シング・アマゾンロジスティクス事業本部長(中央右)と配達パートナー
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