NXHDの米向け海上BCP、東岸経由シカゴとロッテ経由開発
Daily Cargo 2022年8月4日掲載
NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は3日、傘下の日本通運が日本発米国向け海上混載で米国西岸を回避するBCP(事業継続計画)対応サービスを開発したと発表した。米国東岸経由シカゴ向けサービスと蘭ロッテルダム経由米国各地向けサービスを提供する。米国西岸の荷役作業の停滞や港湾ストライキに備えて開発した。
米国東岸経由シカゴ向けサービスは、東京・横浜・名古屋・神戸の各CFS受け(門司・博多地区から出荷する場合は神戸CFS受け)。韓国・釜山を経由して米ニューヨーク、ノーフォーク揚げで、シカゴCFSまで輸送する。同CFSからデトロイト、ナッシュビル、アトランタの各CFSへの転送や輸入者指定の納入先への配達も可能とする。リードタイムは東京CFSからシカゴCFSまでで約47日間。米国西岸の港湾混乱を回避できるほか、東京港での船積み後、シカゴCFSまでコンテナを開封せずに安全に輸送できるという。
ロッテルダム経由米国各地向けサービスは、東京、横浜、名古屋、神戸の各CFS受け(門司・博多地区から出荷する場合は神戸CFS受け)。ロッテルダムまで直行で輸送する。ロッテルダムでコンテナデバンニング後、米国向けで海上輸送を行って同国内の各拠点へ輸送する。リードタイムは東京CFSからシカゴCFSまでで約74日間。ニューヨーク、シカゴ、ヒューストンなど米国内の多くの仕向け地までの輸送に対応する。また、ロッテルダムを経由する場合も通常の米国向けサービスと同様の手続きで手配できるという。NXグループとして日本、オランダ、米国で連携し、貨物到着までをサポートする。
新サービスは、米国西岸の港湾混乱を回避し、米国各地へ安定したリードタイムで確実な輸送を提供するために開発した。米国では、西岸の港湾混雑に起因する本船スケジュールの変更や遅延、鉄道ターミナルの混雑やトレーラーのドライバー不足などに加えて、労使交渉による港湾ストライキ発生のリスクも懸念されている。「NXグループは顧客の要望に合わせて、代替となるルートの開拓や輸送モードの活用との組み合わせによるBCP対応ソリューションを提供し、顧客の事業継続を支えていく」(NXHD)とした。
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