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センコーGHDの外国人材活用事例紹介 物流連・ダイバーシティ推進WT

Daily Cargo  2021年2月2日掲載

 

日本物流団体連合会(物流連)は先月27日、今年度第3回「ダイバーシティ推進ワーキングチーム(WT)会合」をオンライン開催した。センコーグループホールディングス(GHD)の菅野祐一外国人就労支援担当部長が、団体監理型による技能実習制度の取り組みの現状と課題を紹介した。15人が参加した。

同社は、2017年8月から優秀なグローバル人材の確保、海外現地法人の強化を目的に同制度を利用した技能実習生の受け入れを進めている。主な職種や作業は、1年以内に実習を終える「技能実習1号」の「物流軽作業」のほか、3年以内の実習「技能実習2号」の「工業包装」「自動車整備」だ。ただ、新型コロナウイルスの影響により実習生の半数は予定通り帰国できず、特定活動の在留資格に切り替えて継続して働いているという。

費用面は、初期費用(管理団体などへの支払い)、運営管理費(管理費・更新料など)、給料・寮費・備品などの経費、特に給与レベルは日本人と同等とする。寮や備品などを含めモチベーションに配慮した負担の必要性を説明した。

実習実施の課題に関しては、現行の工業包装職種の規定では段ボール梱包、木箱梱包といった必須作業の範囲に制約がある。そのため、より物流の実態に即した職種・作業追加の必要性があると説明した。これに関して、参加者からは追加だけでなく、実体に即した規定の見直しというアプローチについての検討も同時に行うべきではないかとの意見が寄せられた。自動車整備については、専門性が高いことから経験者確保が重要であるとした。物流軽作業は1年実習のため日本語研修を除くと実質11カ月間の実習となるためコスト負担が大きい点なども課題とした。

最後に、今後も特定技能などを含めた制度導入や教育の推進、帰国後の就業活動フォローなどの人材還流体制の構築を進めていくと話した。次回のダイバーシティWT会合は、5月を予定している。


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