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4月に同規模の社をM&A / コロナ下の運営、今後に自信

物流業Now!(11)
ILRS&NEWS (Vol.531)
 

(株)藤倉運輸 藤倉社長

 新型コロナ発生後、それ以前と比べ御社が扱う貨物に変化はあったか。

(藤倉社長)当社は樹脂化成品、ボンド、塗料原料などのBtoB輸送をメインで行っているが、新型コロナ発生後の4,5月の2か月は大手の化学工場の生産調整等により、輸送量が減り、売上が半減したが、昨年の台風で被害を受けた修繕のための建材の部品配送の受注が昨年末から増大し、そちらの売上増によって減少を補うことができ、実質の影響はほとんどなかった。

 新型コロナの発生に対し、御社どのように対応したのか。

(藤倉社長)マスクの着用、消毒液の設置や検温、室内消毒などは徹底した。毎月の20人規模の会議を2月は中止したが、3月から倉庫にソーシャルディスタンスを保って椅子を並べ、スカイプやLINEなどを使ったオンライン会議を開始。いまはZOOMで会議を行っている。研修も社員を外部講習に出せなくなったので、社内でZOOMによる講習に切り替えた。出勤に関しては電車通勤者がもともといなかったので影響はなかったが、土曜に出勤しない社員もオンラインで会議に参加してもらうようになり、会議の幅が広がった。オンライン会議は今後も続けていきたい。

― 新型コロナに対し、事業的な面での対応は。

(藤倉社長)実は昨年、知人を通じて同規模くらいの運送会社のM&Aを頂き、年明けの1月末から協議に入ったのだが、その矢先に横浜でクルーズ船の大クラスターが発生し、時期的にこれと並行しての話し合いとなった。取り扱い品目は医療器具配送が半分以上で他に食品輸送も行っているが、近年、運賃料金と人件費が見合っていなかったこともあり厳しい状況にあった。ただ、冷凍冷蔵車などの特殊車両がなく、当社の業務とうまく融合していけば収支改善できると考えた。3月末の資本提携直後は不安な社員も多くいたが、結果的に社員30人・車両30台の以前と変わらぬ陣容で4月1日から新たな船出にたどりつき、社員みんなの頑張り、お客様の支援のお蔭でこの半年間なんとか頑張ってやってくることができた。

 新型コロナが拡大する中で、思い切って踏み出せた要因は。

(藤倉社長)当社も昨年までは人手不足による採用難で、募集しても人がまったく来なかった。30人のドライバーは平均年齢こそ高いがすぐ稼働できるのが魅力だった。私は4年前まで東京都トラック協会の足立支部長を務めていたが、その時に運送会社の後継者難などでM&Aの話を傍らでたくさん見ていた。そっくり大手に持っていかれるのは忍びなかったが、同じコミュニティーの中で今回のような受け皿を作り、寄り添っていけばやっていけると実感した。今後も機会があればM&Aを行っていきたい。

― 新型これから未曽有のウイズコロナ時代がしばらく続くことになりそうだが、今後の方針についてお聞きしたい。

(藤倉社長)平均年齢が高いので先の事を考えたらいずれ少しずつ若返りをしていかねばならないが、今は新規採用を急がず、人とトラックの再編成に力を入れている。「誠実と感謝の心で人づくり」の経営理念のもと、人作り、社員育成に注力していく。そして今後も大型免許取得支援をしていきながら、ドライバーの層を厚くして、できる仕事の幅を拡げていきたい。まだまだ収まらぬコロナ禍の中ではあるが、今までやってきたことに自信をもって粛々とやっていくしかないと思っている。今回のM&Aを成功させて、零細企業でもこんな事ができる、ということを社内外にアピールし、今後に繋げたいと思っている。

(聞き手:葉山明彦)


株式会社藤倉運輸
東京都足立区神明南2-1-2

代表取締役 藤倉泰徳
ホームーページ https://www.fxp.jp/

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