アジリティ医薬販売子会社 アビガンの流通で富士フイルムと契約
Daily Cargo 2020年7月6日掲載
中東物流大手のアジリティは1日、医薬品や医療物資の販売・流通を担う子会社のグローバル・レスポンス・エイド(GRA)が、新型コロナウイルスの治療薬として期待されている抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」のグローバルでの販売・流通について、富士フイルムと契約したと発表した。アジリティはGRAをサポートしてGDP(医薬品の適正流通基準)認定施設を含むネットワークや輸送ソリューションを提供し、アビガンのグローバル供給に貢献する。
今回、富士フイルムはアビガンの海外展開に向けて、GRAとインド大手製薬企業ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ(ドクター・レディーズ)と2社提携する。子会社の富士フイルム富山化学とGRA、ドクター・レディーズの3社間で、アビガンの開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結している。富士フイルム富山化学がアビガンの製剤・製法特許をドクター・レディーズに供与する。ドクター・レディーズは日本、中国、ロシアを除く地域での製造を行い、自社やGRAのグローバルな販売網を活用して、迅速かつ安定した薬剤供給を行っていく。
GRAはアジリティのネットワークを活用し、アビガンの販売を展開する。アジリティは世界30以上のGDP認定施設を有し、陸海空の輸送や保管配送などの高品質な医薬品物流サービスが提供できる。
GRAは新型コロナウイルス感染症への対応を目的に、アジリティがこのほど合弁で設立した新会社だ。コロナ対応に関する医薬品や治験薬、検査機器など医療物資の販売・流通を手掛けている。日本ではアジリティ日本法人代表の米田芳路社長がGRA日本代表を兼任しており、富士フイルムとの今回の契約をサポートしている。
アビガンの試験・生産に向けてアジリティ日本法人も富士フイルムの物流サポートを行っている。6月下旬にクウェートへの治験薬の輸送を行っており、第2弾も近く実施されるという。米田社長は「アジリティとして医療医薬は重点分野の1つであり、日本法人も注力している。現在、GDPに関するスタッフトレーニングも開始しており、サービス強化を進めていく」とコメントしている。
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