― 新型コロナ問題が起こってから人手事情に変化はあったか。
(沢田社長)当社の場合は世間の人手不足感と異なり、昨年春あたりから成田という地域事情もあるのか、若い人がドライバーで応募してくるようになった。みな未経験者だがいま20歳代が9人いて、準中型免許に対応した2トン車(車両総重量5トン未満)を2台入れた。次は会社で大型車の免許を取ってもらう。現状は新型コロナで仕事がないが、雇用調整助成金を活用して雇用を継続し、荷動きが戻ったらドライバーも車もいるという体制を築いておきたい。
― 運賃の改善についてはどう考えるか。
(沢田社長)国土交通省が提示した標準的運賃が4月に運輸審議会で承認され、即日実施となった。ドライバー不足やコンプライアンス順守など背景にあったとはいえ、かつて規制緩和されて以来行政がこうした措置をとるのはなかったので、その意味ではよかったと思う。ただ、タイミング的には新型コロナでマーケット状況が急変したこの時期に出たのはよくなかった。荷主との運賃交渉も円滑に進められる状況ではないが、少しでも標準的運賃に近づけていきたい。新規顧客には、これを基準に見積もりを策定している。
― ひとまず緊急事態が終わって経済活動全般が再開された。ポストコロナ時代に向けて考えていることは。
(沢田社長)新型コロナは学ぶことがいろいろあった。これまで2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災と急激な景気後退を経験し、リーマンショック以上の不況はこの先ないかと思っていたが、今回の新型コロナは史上最大のマイナス成長となりそうだ。運送業では拡大路線で急成長を遂げていた新進気鋭の運送会社が倒産し、観光業でもインバウンドに依存したホテル、バス会社の集客や収入が大幅に減少するなどした。我々も航空貨物に頼りすぎ、新型コロナの影響が大きく出たので、これから航空貨物以外の分野を拡大し、リスクヘッジをはかっていきたい。航空貨物の特性で現在はスポット便が99%という状況だが、これからは定期便を増やしていく。これまでは既存客を満足させることを第一義にしてきたが、難しくても幅広い荷主層に食い込んでいかねばと思っている。社内的には社員とのコミュニケーションを円滑にし、社員を心配させないように、大事な経営事項や決定をできるだけ早く社員に伝えるようにしている。
(聞き手:葉山明彦)
株式会社 ロジックスライン
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代表取締役 沢田 秀明
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