― 運送はパートナーに外注しているが、どのような点に重点を置き管理しているのか。
(西 社長)昔は雪が降りそうだとドライバーには前日から行って待って欲しいとか言えたが、いまはそんなわけにはいかない。ドライバーの待機時間が問題なので、これを改善していかに気持ちよく来てもらい、持って行ってもらうかを考えている。ガラスびんの生産は窯で溶かし、24時間生産している。生産倉入れと出荷搬出は同じ倉庫であり、フォーク通路が錯綜、混雑して効率が悪かった。滋賀工場ではバッファエリアを設け1日分の生産分を貯めておき、出荷のない夜間に倉入れを行うことで、昼間の出荷作業ではフォーク通路での錯綜が減少し積み込みが早くなった。
― 安全対策はどのように取り組んでいるのか。
(西 社長)品質と安全は最重要項目として取り組んでいる。当社の場合は構内が中心だが、滋賀、千葉の両拠点合同で、品質向上委員会を2か月に1回開き、品質と安全の両方について指摘事項報告、前回の改善報告、破損事故の原因究明と対策など2か月間に起こったトラブルを掘り下げて水平展開する。また、品質と安全のパトロールを行い、命綱着用、タイヤ止めフックの装着確認などのほか、アサヒロジ社のフォークリフト愛車運動に習い、ぶつけず、キズをつけず、当ててもすぐペンキで修復するとか自分の車のようにフォークリフトを丁寧に扱うキャンペーンを行っている。
このほかフォークリフトオペレーターを対象に年1回、技能検定を実施。トヨタフォークリフトから講師を招いて基本動作をいかに正確に運転できるか、採点・指導してもらう。人事考課の項目にも入れて、意識が上がっているせいか、これを始めてから年々点数が向上してきた。
― 働き方改革に関しての取組みは。
(西 社長)生産性向上なくして時間短縮もできないので、いかに現状から生産性を向上させるかということだが、大手物流会社のようにマテハンを導入してピッキング機能を強化するなどは、当社の現状倉庫では難しい。バーコードスキャンなどは以前から取り組んでいるが、技術上の飛躍的な向上は足踏み状態だ。そういうこともあり、多能工化で試行錯誤している段階だ。年間休日は10年前と変わっていないが、多能工化と表裏一体で今後は日勤者を中心に年4日増やしていこうと考えている。
有給休暇の消化は今年から管理しているが、ほとんどの従業員が9月で5日以上を消化、3日以下が十数人いるので12月までには必ず3日以上取得させ、それ以降は計画付与を考えている。36協定は中小企業に適用される2021年3月からの協定が対象だが、前年だと42時間超の月が6回以上の従業員もいた。今後、個人の仕事をチーム化することが課題だ。
(聞き手:葉山明彦)