― 御社の会社紹介をしてほしい。
(矢野社長)もともとは運送、倉庫を中心としたレナウンの物流子会社で慢性的な赤字だった。私は企業再建の仕事をしてきたこともあって、9年前にファンドから経営再建を要請されてこの会社の経営に就いた。その後、3年で黒字化したが、ファンドとレナウンの契約が5年間で、それ以上延長できないということになり、私と役員がMBO(マネジメント・バイアウト)で株式を引き受け、銀行の協力もあって今日に至っている。拠点は習志野、新潟、三田(兵庫県)の3カ所にあり、社員は約50人だ。
― 再建の経緯をお聞きしたい。
(矢野社長)当初は受けた仕事を流すだけ、無理な注文は受けず、利益を上げることなどまったく考えないような社内体制だった。このため利益をあげる大切さ、総売り上げを合算して日々の利益を考えたり、倉庫スペースを有効活用することなど、ビジネスの基本から教育していった。さらにファンドが離れた3年前からは別会社を創業したようなものだった。とにかく販路を広げなければならないので、現場の人たちに営業活動も協力してもらい、外販拡大に励んだ。お客様ごとの事情に対応し、1つでも多くの荷物をいただくよう頑張っている。現在、顧客数は100社を超え、レナウン系の顧客は1割程度になった。