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佐川急便 輸入調達物流で門司港活用 一括受託で効率化

Daily Cargo  2019年9月3日掲載

 


SGホールディングス(SGHD)グループの佐川急便は、輸入で門司港を活用した新たな調達物流のスキームを構築した。2日発表した。海上輸入で主要港のドレージが問題となる中、地方の港湾を利用し、顧客納品まで佐川急便が各業務を一括で提供する。同グループ各社との連携や同社の全国ネットワークも生かし、顧客需要に応じたサービスを提供する。

2014年度に始動した先進的ロジスティクスに取り組むプロジェクトチーム「GOAL(GO Advanced Logistics)」として提供する。門司港から車で約60分にあり、中継センターの機能も持つ苅田営業所(福岡県京都郡苅田町)を「九州デバンニングセンター」と位置付け、活用する。同港に輸入した商材は同営業所で引き取り、各方面別に仕分け、発送する。同営業所に近接する北九州空港、日本貨物鉄道(JR貨物)の北九州貨物ターミナル駅、門司港からのRORO船を活用した輸送モードの提案ができる。同営業所には保税蔵置場はない。通関関連業務などは、SGHグローバル・ジャパンなど同グループ会社などと連携する。

輸入海上貨物は、越境eコマース(EC)市場の拡大や来年の東京五輪・パラリンピック開催を控え、増加傾向にあるという。一方、ドレージ作業に時間がかかる問題もある。新スキームでは、少量・小口の緊急配送、在庫入れ替え対応のための大量配送など、スピードやコストといった顧客要望・条件に応じたソリューションの提供を可能とした。

住宅設備販売などを手掛ける中村製作所(福岡県北九州市)が同スキームを利用し、納期短縮と厳守が実現した。輸送ルート自体は、従来の門司港揚げで各顧客への配送するものに変更はなし。ただ、同営業所でのコンテナのデバンニング、大型重量物の機械を特殊車となるユニック車両への積み替え、顧客工場内へ設置までの納品を行うなど「物流を一括提供し、納期厳守などリスクを最小限化できる点が強み」(佐川急便)とする。門司港以外を活用していた荷主の中で、新スキーム活用で効率化を実現したケースもある。

SGHDは日立物流と2016年10月から中国国内の工場から日本国内の納品先までの一貫物流サービス「スマート・インポート」の提供を開始しており、新スキームとの併用で、さらなる効率化も可能としている。


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