東亜物流株式会社 森本勝也 社長
― 御社にとっていま最も重要な経営課題は何か。
(森本社長) やはり人材の確保だ。いますぐ深刻だという状況ではないが、仕事の問い合わせがけっこうある半面、十分な補充ができないので対応できず機会損失をしている。また残業上限の設定など法的規制が進む中で、補充できれば従業員の時間短縮にも対応できる。
新卒についてはこの数年、高校・大学卒を定期的に採用しており、力を入れて取り組んでいる。超売り手市場の昨今、今年4月入社は3人だったが、例年は5~6人採用している。経験者でなくても興味があれば運転免許をとってもらい、倉庫や管理部門にも進んでもらう。高卒採用は地元校で地道に対応してきたので、進路指導の先生方も先輩と同じ会社を進めやすく協力的だ。今後は採用力が業界格差につながっていくと思う。
― 昨年の運送約款の改定に対して御社はどのように対応したか。
(森本社長) 東京トラック協会の支部単位で届出すればまとめて受けとってもらえるということで、江戸川支部単位で国土交通省の告示があった昨年11月4日以前に届け出た。
昨年のアマゾン/ヤマト運輸の配達問題でクローズアップされ、国交省の告示で改定の機運が一気に盛り上がったが、現状では届け出は全国的に30%程度ということで、やや尻すぼみの感がある。これが転機になるととらえるかは、事業者の問題とはいえ、この機運は消さないようにしたい。
改定では荷主から運送料と待機料が別にいただけるということだが、100%収受はできておらず、錦の御旗にはなっていない。ただ、人手不足にコンプライアンスの強化などで、従来の運賃ではやっていけないのも事実なので、約款問題とは別に値上げ交渉はやっている。追い風が吹いている今、交渉しなければ時期を逸することにもなりかねない。
― ジャパントラックショー2018に期待することは。
(森本社長) 一般市民に物流業界のPRをできる場にしてほしい。業界人だけでなく、一般人や学生、子供がイベントなどを通じて物流やトラックが面白い、乗りたいと思ってもらえるよう一工夫してほしい。人手不足の中で、特に学生はリクルートにもつながり、来場を期待する。そうした何か仕掛けがあってもよいと思う。
(聞き手:葉山明彦)
東亜物流株式会社
東京都江戸川区一之江1-9-13
代表取締役 森本勝也
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