製造業などの感覚で経営を / 仕事あるも人材追いつかず
物流企業トップに聞く ~物流企業はいま!(10)~
ILRS-NEWS Vol.411
(株)カワキタエクスプレス 川北辰実 社長
― 御社にとっていま最も重要な経営課題は何か。
(川北社長) 人材を増やしたいのだが、なかなか増えないのが最大の悩みだ。採用は高校新卒を9期連続で定期採用しており、今年は4人を採ったが、入社数年経った社員がやめてしまう。仕事はあるのだが、増車する分に追いつかず、中途採用も増やしていかねばならない。ただ、当社では20代の未経験者にターゲットを絞っているので、思うように採用につながらない。当社は月給制で基本給はマナーやモラルを中心とした評価で決まる。既存の社員が辞める理由は、表向き「稼げない」ということになっているが、評価が低い人は辞めても評価の高い人は辞めていないという現実がある。
― 昨年の運送約款の改定に対して御社はどのように対応したか。
(川北社長) 届出する検討はしているのだが、当社はまだ出していない。というのは当社の顧客に対する運賃請求はもともと距離だけでなく積み込み、待機も見積もって出してきた。今回の改定の考え方を現実的にはやってきたので約款にはこだわっていない。
― 行政や業界に要望や訴えたいことがあれば。
(川北社長) 我々の業界はアピールの仕方が下手だと思う。「燃料高騰」とか「人手不足」とか、ネガティブなことにスポットを当てるが、もっと「この業界はこんなに必要だ」とか「やりがいはここにある」というポジティブなことをアピールすべき。また、経営者は同業者だけを見て比べるのでなく製造業や一般の会社の感覚を持つ必要がある。この業界未経験層の方が圧倒的に多いので、会社として他業種と勝負できるような会社作り、業界作りをしていく必要があると思う。
(聞き手:葉山明彦)