― 御社にとっていま最も重要な経営課題は何か。
(鎮目社長) 世の中は人手不足で運送業界でいえばドライバーをどう確保し、育成していくかということになるが、当社ではセメント車などのバルクトレーラーが多いため、手積み手卸しがないため比較的やめる人は少ない。ただ、高齢化は避けて通ることができず、平均年齢は50歳を超えている。欠員募集をかけるがなかなかいい人材をとれないのは同じだ。課題として気になっているのは、物流業界の変化が速く、これから業界がどう変わって我々は的確に対応できるのかという点だ。
当社は20年以上前から運送の比率を下げて、その他の物流加工、製造にまつわる各種作業、構内物流の管理などやって現在では運送の売上比率が半分程度になってきた。本来、物流業の社会貢献度は経済のインフラとして非常に高いはずだが、いまだに3K、4Kと言われ末端の作業員が希望を持って入って来ない。どうやったら若者が希望を持って入って来られるのかは、業界として次世代に引き継ぐに当たり指針を示していかなければならないと思う。働き方改革で就労の根本的な見直しがどんどんと進む中で、まずは待遇改善が不可欠で人件費アップの原資はなお物流業の中心となる運賃収入となる。これを上げていかねばならない。
― 昨年の運送約款の改定に対して御社はどのように対応したか。
(鎮目社長) 約款の改定で言えば、国がここまで考えてくれたことはかつてなかった。2年前に国土交通省の取引環境・労働時間改善協議会が発足した時、私はメンバーにしてほしいと手を上げたが、委員は大手企業、荷主、労組、学者などで既に決まっていて、トラック協会は3名しかいなく私はオブザーバーとして参加させてもらったが発言の場は与えられなかった。