「ワークエンゲージメント」の取組み(その①)
2024年11月27日
『物流なんでも相談所』
岩﨑仁志
物流業界において最も大きな課題とも言える人手不足。応募者の減少はもとより、離職が多いことも人手不足に拍車をかけているかもしれません。離職率低下や仕事へのモシバーションアップに効果があるとされているワークエンゲーメンとについ考えてみましょう。とりわけドライバーの人手不足は事業の根幹を揺らがす大きな問題でもあります。離職の多い企業では人手不足が経営に大きな影響を及ぼしています。離職の多い企業では社員の働きがいや意欲の低下が顕著となっています。こした社員の意欲の低下働くことによるストレスや健康に及ぼす影響も懸念されます。当然のことですが、意欲の低下は仕事におけるパフォーマンス、生産性に著しく悪影響を与えることになります。ただでさえ少ない人員をいかに効果的にかつようするのかが今後の物流業経営にとって大事なことと言えるでしょう。今後少子高齢化による生産年齢人口は減少の一途であり、今以上の人手不足となることは間違いなさそうです。
このような状況野中で就労を望む多くの人が「働きがい」を求めている、とされています。働きがいを持って仕事ができる環境を整え、健康を維持しながら労働生産性の向上を同時に実現できることで、持続的な成長をもたらすようにしていくことが重要だと言えるでしょう。抽象的な概念である働きがいをより具体的に理解できように個人と仕事に着目した考え方として、仕事にやりがいと誇りを持ち、熱心に取り組むことで仕事から活力を得ることができる状態をワークエンゲージメントといいます。ワークエンゲージメントという概念を整理すると、仕事に向いポジティブで充実した心理状態として①活力(仕事から活力を得ていきいきとしている、②熱意(仕事に誇りややりがいを感じている、③没頭(仕事に熱心に取り組んで着る)の3つがそろった状態と定義されています。ワークエンゲージメントが高い人は、仕事に誇りとやりがいを感じ熱心に取組み、仕事から活力を得て生き生きとした状態にあります。ワークエンゲージメントは特定の対象、出来事、個人、行動等に向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知によって特徴づけられます。つまりワークエンゲージメントは個人と仕事全般との関係性を示す概念であることに加えて、個人の中でも日々の時間経過とともに一時的な経験として変動していく面もあるものの、基本駅には持続的かつ安定的な状態を指す概念となっています。
ワークエンゲージメントと同じく重要な「社員エンゲージメント」があります。社員エンゲージメントとは、企業など所属組織への貢献意欲を指し、個人と組織との関係に注目しています。組織が目指す方向性を社員が理解し、それが自分の目指す方向性と重なることで組織に貢献しようと思えることは仕事そのものの誇りと同様に大切です。このように企業の付加価値最大化には、ワークエンゲージメントだけではなく社員エンゲージメノトも重要です。ワークエンゲージメントは働き手にとって組織目標の達成と自らの成長の方向性が一致し、働きがい、働きやすい食簿環境の中で組織や仕事に主体的に貢献する意欲を示す概念でありこのエンゲージメントを保ちながら仕事に取り組み、組織として生産性を高めることが重要です。