無事故、高い物流サービスによる成長
2024年8月28日
物流よろず相談所
物流サービスにおいて、安全は安心につながるもの、品質の基本と言えるでしょう。目まぐるしく変化していく時代を常に反映できる高い物流品質を提供していくことは全ての荷主にとっての魅力的な付加価値です。そのためのステップはまず徹底した安全の追求で事故(交通・貨物)ゼロを実現し、エコドライブを始めとした環境への優しさをアピールすること。次に高い物流サービス品質を元手に顧客から適正価格を勝ち取ることです。
ドライバー・スタッフの日々の仕事は価格決定に大きな影響を与えます。ドライバー・スタッフは前後作業を強く意識した業務を実践しなければなりません。自分だけでなく、会社の仲間や顧客などドライバー・スタッフに意識していただかなければ、高い物流品質の提供はできません。会社が存続、発展してこそ社員と家族の幸せが守られるのです。それはすなわち、安全運転とサービス向上は全社員の幸せを生むこと、このことを理解してもらわねばなりません。高い物流品質による安定した経営は日々スタッフ・ドライバーが積み重ねる貴重な収益が基盤となっています。その源である顧客(荷主+着荷主)の信頼と評価が会社を発展させるカギとなります。自社の未来は社員の意識次第で大きく変わることを理解させておきたいものです。
最近社会問題として指摘される2024年問題ですが、この対策にはドライバーも参加していくことが肝心です。改正改善基準告示により、ドライバーの拘束時間が短縮された現在、2024年問題は「1日単位」で考え、解決していく必要があります。作業時間と休憩時間は減らせないので、荷待ち時間等の時間削減がポイントとなります。荷待ちや付帯作業の蔓延は、すでに大きな問題として国からも改善が強く指摘されています。長時間の荷待ちは国交省の情報提供案件となっており、匿名で通報できる「違反行為情報提供フォーム」も設置されるなど国も荷待ち時間の改善に取り組んでいます。運転者自身も荷待ちが減らない場合は上司とも相談し、改善に向けた取組みの提案など現場を良く知るドライバーとして発信していくことも大切です。いずれにせよ、これまで以上に時間を有効に活用し、時間やコストの無駄使いにつながるような危険行為や危険運転を、プロとして排除していく必要があるのです。トラックが起因となる事故は毎日全国各地で発生しています。その要因は防ぎ得るものが圧倒的に多いことも事実です。一瞬の気の緩みやうっかり判断ミスで、大切な人生を失うことになるのが交通事故です、時には人の命を奪うこともあります。防げる事故は絶対に防ぐ!という気持ちをあらたに見直して参りましょう。
トラックの事故で、最も多く確認されているのがヒューマンエラーによる追突事故で、近年のトラックには制動システムが導入されていますが、システムは万全ではないのです。最大積載量以内の積み荷を積載し法定速度で走行していれば、安全に減速や停車ができるようになって来ているとはいえ、トラック運転手の方にはこれまで通り注意が必要です。増えてきている事故には逆突(バック事故)です。トラックに乗り慣れていない方や、運転の経験が少ない方だと、車両の感覚が正確に掴めていないためバック事故を起こしやすい事故とも言えるでしょう。ルームミラーで後方の状況が確認できないトラックでは、バックモニターを使用しなければならないため、サイドミラーへの意識が疎かになっているケースもあります。一般車と違ってトラックには多くの死角が存在するので、目視やミラー、バックモニターを使って状況・安全確認を行う必要があるのです。
またあおり運転も注意が必要です。乗用車のドライバーにはわかりづらいトラックならではの事情がある、たとえば、急に割り込まれたときに荷物を積載していると急に止まれませんし、急ブレーキを踏めば荷崩れが起こる可能性もあります。中にはトラックを目の敵にしている乗用車もいるようで、追い越し車線に入ったトラックに対して並走して走行車線に戻れなくする人もいます、反対に、余裕がないスケジュールを組まされてトラック運転手がストレスを感じてしまい、乗用車をあおってしまうケースも考えられます。あおり運転、あおられ運転が原因で事故につながっているのも事実です。トラック特有の事故として死角が要因となる事故、巻き込み事故も増えています。先程も伝えた通り、トラックには乗用車以上の死角が存在します。特に右左折時の激突・巻き込み事故は、トラック事故での発生率上位にくるほど多く確認されています。人が確認できる状況でも、相手が子どもだと死角になってしまうケースがあるため、子どもが巻き込まれて死亡するケースは珍しくありません。また老人の事故にも注意が必要です。事故防止の決め手は①安全装置を過信しない、②十分な車間距離を確保する、③よそ見・脇見はやめる、④コーナリングに気を付ける、⑤巻き込み事故に注意する、ことです。加えて重大事故を起こしているのは運転歴10年以上のドライバーが多いことから熟練ドライバーは慢心しないことを徹底させましょう。無事故による安全と安心の提供は会社発展に大きな力となるでしょう。