物流なんでも相談所

部下育成の具体例

2023年6月7日

物流なんでも相談所 Vol.65

 

物流業は人材で決まります。しかし人材育成は簡単ではありません。どうやって部下を育成すれば良いか考えてみましょう。まず部下との信頼関係を築くことが大事です。上司はリーダーシップをもって部下(スタッフ)と接することが最初のステップです。その時にホスピタリィマインド(相手を思いやる心)をもち自分自身が模範となるような行動をとることがポイントです。部下に「いつも見てくれている」と意識させることです。監視ではなく業務内容や健康に関するものなど「見る」(部下の行動を観察する)ことで公平感や納得感につながります。また、些細なことでも声かけをすることで仲間意識が育っていきます。仕事の成果だけに注目しないことも大事です。成果だけでなく、最善を尽くす姿勢を評価することで信頼感を醸成することにつながります。この育成方法は→観察する→気遣う→声をかえるという手順。すなわち目を配る→気を配る→声をかけるという手順を繰り返すことで、訓練ができ、人材育成が進むようになります。

次に部下のモチベーションを高めることがカギです。笑顔があふれる職場をつくることで、人材が育ちます。そのために①部下に自主的に行動させる。②アイディを出し合いすぐに実行させる→笑顔が多い職場はモチベーションも上がるものです。③指示するときは必ず理由も伝える。④部下のいい点を見出しすぐにほめる。このようにしてモチベーションUPを図ることが大事です。最後に独り立ちしてもらえるように部下の自立心・主体性を育てることが必要です。そのためにスモールステップを持たせること、目標管理制が重要となります。実行可能な小さな目標を達成し、その積み重ねが成長への近道となることは間違いありません。大きい目標を立てても失敗の可能性が大きいのです。部下に自立のチャンスを与えることも大事です。目標を立て、仕事を任せることも成長には必要となります。 上司・先輩が後輩やスタッフの自主性を尊重する姿勢・器量を持つことが必要です。任せて、ほめて成長させること、これが部下育成の重要なカギとなります。

しかしながら望んだはずの仕事でも、嫌になったり、辞めたくなったりすることもあります。仕事が上手くいかず、周りのせいにしたり、自信を失くすことも同時に部下の表情にも表れてきます。辛いと感じている部下も少なくないでしょう。そんな時に上司がいつも目を配り、声をかけてあげること、悩みを聞いてあげることがとても重要です。自分の失敗経験やそこからどうやって立ち直ったかも、部下の参考になるではないでしょうか。物流業においても真のプロフェッショナルを名のれるようになるには相応の挫折や失敗を覚悟しなければならない、と教え導くことが大事です。まず人として強くなるため、 また物流のプロになるためには、苦悩はつきものであることをまず幹部として理解させておきましょう。いつも見守ってくれる上司がいれば何とか頑張れるものです。仲間がいることで、チームの一員として会社に役立つことが出来る人、真の物流マンへと成長していくことができるようになるはずです。人を育てることは簡単なことではありませんが、粘り強く、一歩ずつ育むことが大事だと思います。一番大事な人材育成は企業成長にとってもっとも大事なことですので、心血を注ぎ、力を入れて参りたいものですね。

著者プロフィール

岩﨑 仁志

代表主席研究員

職歴
 外資系マーケティング企画・コンサルティングセールス


物流・運輸業界に留まらず、製造業や流通業物流部門などを対象にコンサルティングを行ってきました。国内外の物流改善や次世代経営者を育成する一方で、現場教育にも力を発揮し、マーケティング、3PL分野での教育では第一人者とのお声をいただいています。ドライバー教育、幹部育成の他、物流企業経営強化支援として、人事・労務制度改定に携わった経験から、物流経営全般についてのご相談が可能です。

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