真の「成功経営者」になるには
2021年7月28日
「愛と繁栄を実現する経営改革」
昔、先輩コンサルタントから「経営者は、事業で成功して半分、残りは「事業承継」の成功」と教わりました。当時はあまりピンとこなかったのですが、その後事業承継で失敗して「失敗経営者」の烙印を押された方を何人も目にして「事業承継の重要性」を実感しました。
”いつまでも居座る老害社長”に、誰も引退勧告できずに潰れていったA社。”フェラーリを乗り回すわがまま二代目社長”が、就任後あっという間に会社を潰したB社など、事業承継で失敗した事例は枚挙に暇がありません。
中小企業庁のデータでは、今日わが国の会社のうち127万社もが「後継者問題」で悩んでいます。今日、事業承継はわが国にとって看過できない重要課題です。
重要課題の一方で、事業承継は経営者にとっては一生に一度だけのことです。ですから誰しもが未経験ですし、一度だけのことに備えて勉強したりもしません。そこで、相談相手、支援してくれる人を求めています。この要求に的確にお応えすべく、支援する側の役割は重大です。
事業承継の支援には、まず「総合力」が要求されます。
①「税務・法務」面だけでなく「経営」面や「人間」面を含めた総合性。
事業承継は、単なる「相続対策」ではありません。税法や民法などの本に書いてある「規則」面だけではなく、業績安定などの「経営」面や、人間関係「泥臭い人間ドラマ」といった「人間」面も含んでいます。例えば、現経営者に隠し子がいてバレたら大変なことになるとか、後継者選定の意見対立から奥さんと折り合いが悪くなったとか、人には言えない泥臭い悩みがいろいろあります。
②「現経営者」側、「後継者」側に、「各方面との調整」を交えた総合性。
現経営者側だけでなく、後継者側にも立ち、加えて社員や外部の銀行、得意先、仕入先などとの調整も行う必要があります。
③事業承継計画から始め、承継の実行、および承継後のフォローまでを含めた総合性。
単に「事業承継計画」を書くだけでなく、「業績向上」、「バトンタッチの実行」、「後継者育成」そして「半永久的な業績安定」まで一貫して支援することです。
この「総合力」にも増して要求されるのが「人間力」というものです。「人間力」とは、「マニュアル的=機械的作業」に対するものです。今日では、受験勉強から始まり、就職活動や企業経営に至るまでどこも「マニュアル化」されています。経営計画はマニュアル化されたソフトを使って立案し、M&Aにあたってもマニュアル的な方式で計算した企業評価額で会社売買をしている有り様です。
しかし、「マニュアル化」すなわちテクニックを身に付けるだけの受験勉強では、親身になって勉強する子は生まれません。中学の先生たちが一様にそう嘆くようになったのはもう30年も昔からです。就活マニュアルや経営計画マニュアル・企業評価マニュアルも同様です。せっかく創業者社長が親身になって作り上げても、マニュアルだけで済ませる風土からは親身になって経営する後継者は生まれません。
とりわけ、事業承継は、内容が一社一社異なるうえ、正解のない経営的なウェイトが高く、場合によっては思いもよらない泥臭い課題が飛び出します。まさに「総合格闘技」です。
それに対応するには、経営者の想いに真摯に耳を傾け解決策を提案する「真摯さ」、および成功するまで逃げずにとことんやり抜く「忍耐力」という、真の意味での「人間力」が不可欠なのです。
このように、事業承継を支援するには、「総合力」と「人間力」が要求されます。きれいなオフィスの大勢の人の前で堂々とカッコ良くこなすような相談対応ではなく、むしろ古ぼけた人っ気のないオフィスで陽が傾いた頃にこっそり行う相談対応です。とても「マニュアル的に」できる代物ではないのです。
<筆者紹介>
山田隆明(やまだ たかあき)
わくわく経営株式会社 代表取締役
公認会計士・税理士
事業承継・経営計画コンサルタント
IT企業での営業→公認会計士・税理士→経営計画コンサルタント
事業承継を「総合力」でご支援。とくに「業績向上」、「後継者育成」、「財務・税務」に強み。
単なる”マニュアル的”支援でなく、「人間力」”泥臭い社長のお悩み相談” でご支援。
<事業承継支援実績14件>