コロナ禍で迎える新緑の季節
2021年5月6日
物流なんでも相談所 Vol.28
季節の花が桜からつつじへ移り、周りも緑いっぱい、1年で最も過ごしやすい季節を迎えております。しかしながら国内ではコロナウィルス拡大第3波が訪れ、また緊急事態宣言が出されてしまいました。昨年から続くコロナウィルス拡大が物流業務全般にも大きな影響を与え続け、事業展開がより難しくなっています。気が付けばアフターコロナを語ることも、めっきり少なくなってきたと感じる方、多いのではないでしょうか。仕事でも、プライベートでも多くの“してはいけない”制約を守りながらの生活がこのままずっと続いていくような気がしてきた、という話も時折耳にします。つい同町してしまいそうになりますが、ここで脱力が許される程、状況は甘くありませんね。日々感染力を増していくウィルスと一緒の暮らしなど、1日も早く終わらせる、という強い気持ちはやはり胸に刻み続けておくべきです。自社内、または家庭内には絶対ウィルスを入れない、出さない覚悟をここで再びあらたにしておきましょう。コロナ終息の日は必ずやってきます。力を合わせその日の訪れを少しでも早めて参りたいものです。
テレワークや引きごもりによる需要で拡大する物流企業もありますが、多くの物流企業は厳しい経営を強いられています。このように厳しいからこそ、ムダをなくして経営強化を図る必要があるのです。最も大きなムダは “事故による損失”。事故発生には必ず要因があります。“その事故要因が自然や物でなく人の心や体にある場合、ヒューマンエラーの代表とも言える事故(商品事故も)発生する率は上がると思っておく方が良いしょう。普段よりさらに少ない人数で回さなければならない現場での事故は何としても避けたいもの。集中力が散漫になり易い今だからこそ、始業時、引継ぎ時の気持ちの切り替えをさらに重要視し、事故損失を徹底して防ぐように努めて参りましょう。
省人化や省コスト化を意識した流れはこの先も産業界全体の横のつながりを利用した形で、進んでいくと思われます。物流業界にまだ多く残るアナログ的な要素はそう簡単に転換できるものではありませんし、残しておきたい部分もそれはあることでしょう。それでも変化する状況をつねにとらえ、好機を逃すことだけはないようにしておきたいもの。自社内の意識統一と外部とのネットワークを大切に、前に進んで参りたいものです。
苦しい時には、企業の底力とも言える現場力と企業体力が事業の継続を支えます。今回のコロナウィルス拡大によるパンデミックにあたっては、皆様方もうすでに各事業所ならではの工夫を行ない慎重に業務を続けておられることでありましょう。それら御苦労と努力のおかげで、このような緊急時の中でも人々は日々の生活にさほど暮らしにくさを感じる事も少なく、自宅にいながら仕事や待機を続けることができています。もちろん細かい欲をいえばきりがありませんし、何より感染者やその御家族にとっては綱渡りの苦しい毎日です。しかし、一般の人々にとっての日常はそれぞれの状況変化を除けば十分成立しています。改めて考えればこれはすごいことです。とはいえ、現場の最前線で働くドライバーの皆様にとっては毎日が恐怖との戦いでもあるでしょう。衛生管理と同時に、自らの命と会社を守り抜くプロ意識を常に携え、強い心で顧客と向き合っていただきたいもの。戦いの長期化は否が応でも認めておかねばなりません。先にも述べましたが安全と健康を基本に、“出る”ものを最小化する構えで共に苦境を乗り越えて参りましょう。