収益は効率化にはKPIが必要!
2021年3月24日
物流なんでも相談所 Vol.25
コロナウィルス拡大が収束に向かうにはまだまだ時間が必要だと考えられます。物流は産業を支え、生活も守るライフラインであるにもかかわらず厳しい経営が続いています。そのような中でサードパーティロジスティクス(3PL)という物流の一括受託を進めています。成長する企業にはこの3PLを展開する企業が多いことからもこの手法が大事であることがわかります。
具体的には今日、多くの物流企業が輸配送だけでなく、倉庫を活用し、保管から流通加工までをサービスとしてセンター業務を展開しているのです。これまで、流通加工賃や倉庫費用として、一定費用をお客様からもらうことが多かったのがこれまでの物流業。しかし、今日では多くの物流企業において流通業者の慣習である通貨量か通過金額の一定割合(歩率)による請負作業として費用が決定される歩率契約を余儀なくされているのが現状です。
そのような作業の中では、これまで以上にセンター業務の効率化が必要となってきています。もちろん、収益を確保するために、現場での業務改善を行なってこられているとは思いますが、ここでもう一度自社の作業標準を見つめ直すことが必要だと思います。今やっている物流コストは妥当なのか、作業工数が妥当かどうか、などは何かしらの鑑がないと判断できないものです。その鏡になるものが標準作業時間と標準作業手順です(IE)。これが明確となっていないと実際の作業時間と当初の想定時間が大きくかけ離れることになってしまいます。それはそのまま収益が確保できないことを意味します。
それには、まずは標準作業を定め、それに時間値を付加することが必要となってきます。その標準時間と実際時間とのギャップが自社の現在の生産性を示していることにもなります。この生産性が向上しなければ、収益確保は難しいことになります。 この場合、現状を是認する時間を設定するのではなく、あるべき姿を指標(KPI)として見出すことが必要です。優秀な作業者と、その他の作業者の作業時間を比較してどこにその時間の差が生まれるのか、それを見出し、平均値を取り、これを自社の標準作業時間として定め、コストを算出することが出来ていないと、おおざっぱな見積もりしかできず、作業を受託しても赤字を抱え込むことになってしまうからです。まず、自社の作業一覧を作成し、それぞれに必要な機器、資格、必要技能、習熟期間、難易度を一覧化することから始めましょう。それが出来たら、それぞれの作業について標準作業書と標準時間を記載します。
そうは言っても標準作業書を定めるのは、多くの作業者の時間を図り、標準化することが必要になるため莫大な時間がかかってしまいます。他社の事例などを調べて、自社ではピッキング数は○○行とする、などあるべき姿を設定することができます。そのあるべき時間と実際の時間を倍率(KPI)で管理することで、その数値をあるべき姿に近づけることでムダを見出し改善することができます。この様に標準作業時間と倍率(KPI)で管理すると、生産性が向上し、かつ改善効果も期待できます。まずは身近な作業の標準時間を定めることから始め、順次複合作業全体を何通りの手順があるのか、それぞれのあるべき手順や時間を決めていけるようにしてください。標準化が進むことで作業のムダの改善も期待できるでしょう。