1年を振り返って
2020年12月23日
物流なんでも相談所 Vol.19
今年1年最後の原稿となります。編集長から1年を振り返るというテーマが与えられましたので、今年を振り返ってみたいと思います。今年も間も無く一年が過ぎ去ってしまいます。今年一年を振り返ってみると、様々な反省点もあります。これは皆様方も同じだと思います。この反省点をどの様にして、来年につながるかが大切でありますが、皆様方はどの様にして今年の反省点をまとめているでしょうか。
年末!!この響きから連想する活気とか、かき入れ時などという単語を、思えば数年来使っていないような気がします。物流業界の1年を締めくくる繁忙期も、そろそろ佳境を過ぎようとしています。例年、年末は溢れる荷物を、ひたすらさばく慌ただしさに翻弄されて終わるのが常、というところでしょう。ただ2020年が終わりを迎えようとする中、物流の動きに確実な変化が表れ始めていたことも事実です。年をおうごとに広がりを見せる、インターネット販売の産物とも言えそうな“オムニチャネル化”が、業界の風物詩である繁忙期さえも変えようとしているようです。
御存知の通りオムニチャネルとは、消費者が商品を購入する店舗(場所)や受け取る店舗を自由に選べる販売形式の事。これが定着して行けば、少なくとも宅配業界における再配達の手間とコストは、かなり削減できる可能性も増えてきます。通販で購入したものをコンビニエンスストアで受け取る、といったシステムも“若い働く世代”を中心に広まりつつある中、毎年の殺気立った繁忙期がほんの少し緩和されたという、向きも否定できないのでは?アマゾンや楽天など活発化する動きの中で、企業貨物従来の通販などは決して好調とも言えない状況が続いています。時代の流れとして当然の動きとも言えそうなオムニチャネルですが、留意すべき点もいくつかありそうです。オムニチャネルの入口は、主にアウトレット(あるいはオフプライス)から始まるとも言われています。現在通販を介するチャネル戦略が主流を占める中、その客層は自ずとインターネットに親しんだ若い世代に偏りがちです。真に商品購入の手段が限られてしまう60歳代以降のシニア世代に多く受け入れられるのは果たしてどのような販売形態であるのか、魅力的な市場としてさらにこの顧客満足を追求していく必要もりそうです。
インターネットでオムニチャネルが加速していくことにより、“顧客とネットでしかつながらないこと”に懸念を持つ企業もあります。作業が機械化し簡素化していく中でも、店頭での客の荷物受け取りや、電話でのやりとりを重要と考え、笑顔で誠実に対応して行く事に更なる力を注ごうというもの。物の流れを作るのは“人”であること、2021年を迎えてもこの基本が揺らぐとはありません。最後には人の手と手が、物をつなぐことを忘れないでおきたいものですね。
今年は何と言ってもコロナに始まり、コロナに終わる年であったことは否めません。年始に昨年ヤマト運輸問題を契機に起こった運賃値上げの基調も、コロナウィルス感染拡大により、大幅な企業貨物減少となったことで、従来に増して、運賃が大幅に値下がりという現状に陥っております。しばらくはコロナ問題が落ち着くまでは、景気回復も見込めそうもありませんし、貨物の増加も当然期待できそうもありません。
明るい活路がないのなら、せめて暗いニュースを作らぬよう、残り少ない2020年を終えたいもの。交通事故・貨物事故を絶対に起こさない!!健康な体で今年を乗り切ろう!!―皆様に実行していただきたい2020年最後の目標です。