AI革命経営者の資質
2019年9月4日
「愛と繁栄を実現する経営改革」
令和元年7月28日(日)日経新聞でのソフトバンクグループ会長兼社長 孫正義氏のインタビュー記事(タイトル:「AI革命、八百屋の執念で」)が面白い。ポイントをご紹介すると次のとおり。
日本が”AI後進国”と言われる点については、「多くの大企業には一攫千金を狙うたくましい経営者がおらず、サラリーマン化している。日々店を切り盛りしている八百屋さんの方が事業への執念がある。自分の家業で頑張っただけ見返りがあり、頑張らなかったら倒産するという危機感を持っているからだ。」
また、“デジタル全盛の時代に生き残る経営者の条件”については、「独自のビジョンと戦略を明確にできるかどうかだ。企業経営では、まず最上位に存在意義を示す理念があり、それを具体化するビジョンがあって、ビジョンを達成するための中長期の戦略がある。・・・(中略)・・・その下に戦術・計画がある。」
「日本企業の経営者の多くは、計画を作るばかりで、ビジョンや戦略は先輩が作ったものの焼き直しだ。平たく言うと、あんまり真剣に考えていないんじゃないか。」
さらに、(2日前の7月26日に同氏が発表した10兆円規模のAI投資「ソフトバンク・ビジョン・ファンド第2弾」を受けて)”巨額投資のリスクをどうコントロールするか”について、「未踏の世界に行くということは攻めるということ。攻めないことがむしろ一番、リスクだ。攻めない日本型経営の多くは危険だ。」とし、一方で同社については「純負債が保有株式価値の15%(同社設定の基準は25%未満)という「快適ゾーン」にあるから全然怖くない。」と。
結論、”現状ではリスクをコントロールできているか”に対して、「できている。・・・(中略)・・・今は相当安定した。眠れない夜を過ごすことはほとんどない。」
私は以下の主張を常々続けてきた。
■リスクを回避する保守的な経営でなく、失敗を恐れず積極的に”チャレンジ”しましょう。
■これからは受け身では乗り切れない、”経営戦略”を持った攻めの経営をしましょう。
■その経営戦略をブレイクダウンし数値化する形で、”経営計画”を立てましょう。
■経営戦略も経営計画も、”社長が自分で”作りましょう。
■経営計画には、”リスク”も盛り込みましょう。
■リスクに備えて、”キャッシュ”を持っておきましょう。キャッシュがあれば積極的にチャレンジできます。
これに対し、一部の保守的な人から以下の批判を受けてきた。
■“リスクにチャレンジ”するのはダメだ。失敗はダメなのだ。
■山田の言うことは”営業出身の精神論”だ、”昭和の遺物”だ、謬論だ。
■令和の今日に必要なのは、ビジネススクールで教える”経営理論”だ。”内部管理”だ。
■経営戦略・経営計画なんて必要ない。どうせそのとおりにはいかないのだから。
■それよりも、”良いモノ”さえ提供していれば経営はうまくいくんだ。
■ただ、経営計画については銀行から要求されるのできちんと提出はしている。その際、作成は会計事務所の”専門の先生”にお願いしている。
これらの批判を受けると、自分の主張が”マイナー意見”、”古臭い精神論”なのではないか、あるいは”謬論”ではと疑心暗鬼になることが度々あった。
しかし、孫氏のこの記事を読んで”スカッ!”とした。
全体的に私の主張と同じだが、とりわけ「危機感を」「独自のビジョンと戦略を」「その下に計画あり」「攻めないことがリスク」などの発言が同じためだ。
さらには、大いに元気立たせていただいた、「自分は今後もこの主張を続けていこう」と。おかげで私の同氏に対する見方も変わった。
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