AIに学ぶ”失敗学!”
2019年8月7日
「愛と繁栄を実現する経営改革」
最近AI関係資格を取得した。一般社団法人 日本ディープラーニング協会のG検定(JDLA Deep Learning for GENERAL)と、一般社団法人 AI,IoT普及推進協会(AIPA)のジュニアコンサルタントを。AIという”手品”の「からくり」を解明したかったからだ。AIを少しかじってみて、以下の感想を持った。
機械は、トライアンドエラー、すなわち失敗しながら少しずつ学んでいく。誤差と逆の方向に少しずつズラすことで、誤差がだんだん小さくなっていく(勾配降下法)のだ。これを「学習」という。学習するには多くの「訓練データ」を必要とする。つまり機械は、膨大な「失敗」から一つずつ学んでいるのだ。機械はまた、不機嫌になることもある。人間が「前処理」という”お膳立て”をしてあげないと、「勾配消失」や「過学習」という”癇癪”を起こして機嫌よく学習してくれない。
成功する会社も同様だ。最初からうまくいく会社なんてない。失敗を積み重ねながら一つずつ学んでいく。しかも、「セールスマニュアル」を整えたり、きちんと「営業研修」を実施して社員をスキルアップさせるといった”お膳立て”も必要だ。AIにほんとうによく似ていると思う。
ただし、人間と機械では大きな違いがある。人間は忘れるのに対して、機械は忘れない点だ。人間は、上手くいったことは忘れないが、失敗は忘れる、忘れようとする。コンサルタントをやっていると、いくら言っても聞いてくれないクライアントがいる。そういう相手は、むしろ失敗してくれた方が説得しやすい。
経営者が社員を教育するのも同様だろう。社員が失敗した時ほど教育しやすい。“経営理念”は、同じ失敗を二度と繰り返さないための戒めだ。一度”痛い目”に遭ったら、それを包み隠すのでなく、オープンにして、経営理念に盛り込み、社員に繰り返し説くことだ。
それには経営者の姿勢が大切だ。
(1) 社員の責任でなく、自分の責任と捉える”真摯さ”。
(2) 失敗を悪とするのではなく、むしろ積極的にチャレンジしたことを評価する”寛容さ”。
難しいことだが、三菱、三井、住友、松下、本田…といった名だたる成功企業の経営者はこれをやってのけてきた。
自分が営業時代に教わった言葉「トップセールスとは、最も多く失敗をした者だ。しかしトップセールスは紛れもない勇者だ。」がいつまでも私の脳裏を離れない。
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