徒然日記

「長生き時代」に思う

2019年3月6日

『徒然日記』 

 

2016年4月27日号で、【オーバー65「超高齢化社会到来」】を書きました。「知ってる!知ってる!」とおっしゃる方がおいででしたら、お礼の品を持参して、お伺いしたいところですが、多分いらっしゃらないと思い、安堵して先に進みます。

その時から2年半。前回も“長寿社会”について触れましたが、いまや「人生100歳時代」と言われています。「凄いというか?驚異的な変化・進歩」です。そうした中で、現代の“平均寿命”に近づいている私としては、「死ぬまで生きていたい」(「真田家家訓」からのパクリ!?)という思いで毎日を送っています。私の“願望的こころ”は、「目が覚めたら、死んでいた」です。

その“長寿”に関して、読売ONLINEに、昨年このような記事が出ていました。読売さんにはお許しをいただいたつもりで、引用させていただきます。

【「敬老の日」を前に、厚生労働省は9月14日(昨年の話)、100歳以上となる高齢者が今月15日時点で前年比2014人増の6万9785人に上り、48年連続で過去最多を更新したと発表した。100歳以上の高齢者の内訳は、女性が前年比1875人増の6万1454人で、全体の88・1%を占めた。男性は前年比139人増の8331人。都道府県別の人口10万人あたりの人数を見ると、島根が最も多い101・02人で、6年連続でトップだった。次いで鳥取が97・88人、高知が96・50人と続いた。上位10位までに西日本から9県が入った。一方、埼玉は32・90人と、29年連続で最も少なく、次いで愛知の36・78人、千葉の39・34人など人口が多い都市部では人数が少ない傾向があった。

国内最高齢は女性が116歳の田中か子(かね)さん(福岡市)、男性は112歳の渡辺智哲(ちてつ)さん(新潟県上越市)だった。 全国の100歳以上の高齢者は、国による表彰が始まった1963年には153人だったが、医療技術の進歩や健康意識の高まりなどを背景に、98年には1万人を超え、2012年に5万人を突破した。同省の担当者は「地域差については詳しい分析をしておらず、要因は分からない。出生数の多かった世代が100歳前後に差し掛かっており、増加は当分続くだろう。健康寿命の増進に力を入れていきたい」と話した。】とありました。かなり興味深かったので、紹介させていただきました。

2年前にも書きましたが、幸若舞の演目のひとつ『敦盛』(あつもり)に、【人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。一度生を享け、滅せぬもののあるべきか】があります。「織田信長が好んで謡った」と伝えられていますが、これは「人間の寿命が<50年>であったということではなく、『天上界の中で最も劣っている<下天>に比べても、例えば50年の人生も、一瞬の儚いものだ』」という意味です。因みに、その織田信長は<享年:49歳>だったそうですが、明智光秀が居なかったならば、50歳をはるかに超えていたのではないかと思います。

信長暗殺の首謀者は「明智光秀ではなかった」という本を読みましたが、この話は改めて。

話しを戻します。日本人の平均寿命は、「縄文・弥生時代」は<約30歳>、室町時代<33歳>、江戸時代<45歳>で、昭和20年代でも<50歳+α>でしたから、天寿を全うされていたら信長氏は「ギネスもの」だったと思います。しばしば並び称される「豊臣秀吉」は<61歳>でした。「徳川家康」は、なんと<75歳>でしたので、随分長いこと「重荷を負いて/遠き道を/行った」のだと、そのご苦労を偲びました。

かよう然々ですが、平均寿命が長くなると、いろいろなことが起ります。たとえば、私が長らく住んでいた町では、かっては「60歳(還暦)」になると、区や町内会から、<お祝いの品>が届きましたが、その“儀式”がいつの間にか無くなっていました。要するに“対象者”が、増えすぎてしまって、財政が立ち行かなくなったということです。「珍しかった」ことが、「フツー」になってしまった。これは「喜ぶべきこと」だと思います。

そうした、喜ばしい時代到来の一方で、<長寿時代ならでは>の痛ましい事件が起きました。

<その①>【横浜市の旧大口病院(現在は横浜はじめ病院)で2016年9月、入院患者らが相次いで中毒死した事件】

<その②>【2014年、川崎市の有料老人ホームで、入所者の男女3人が相次いでベランダから転落死した事件】など・・・です。

で、痛ましい事件の話しで終わるのもいかがかと思い、得意の「ほら話」で、締めさせていただきます。

某老人ホームでの話です。アホなレポーターが、長寿者に尋ねました。「長生きの秘訣は?」。その長寿者答えて曰く、「息を吸うことを忘れないようにすることだ」。まさに言い得て妙なりです。さらに、その老人は、レポーターにこう言ったそうです。「『あの世』って、素晴らしいところらしいよ。何故なら、一度行った人は、誰一人帰ってきたことが無いところだから」。レポーターの“リアクション”が見たかったですね。

日本のサルサブームを牽引してきた<NORA(ノラ)>さんの著書名に、【人生、60歳まではリハーサル】とありました。・・・とすると私は、「目下本番まっしぐら」でしょうか!?

著者プロフィール

小泉武衡

職歴
 元 寺田倉庫株式会社 取締役


1964年より「物流業」に携わり、変化する“各時代の物流”を体得するとともに、新たな取り組みとして「トランクルーム」や「トータル・リファー・システム(品質優先ワイン取扱い)」事業に力を入れてきました。さらに、営業・企画・渉外・広報棟ほか、倉庫スペースを利用した「イベント事業責任者」などを歴任し、旧施設の新たな活用、地域開発、水辺周辺の活性化に尽力してまいりました。

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