第四次産業革命前夜に生きるということ
2019年1月16日
「愛と繁栄を実現する経営改革」
AI(人工知能)は人間社会を大きく変えようとしている。
その変化は「第四次産業革命」とも呼ばれる。第一次は18世紀末の蒸気機関、第二次は20世紀初頭の電力、第三次は20世紀後半以降のロボット、産業機械、インターネットだ。
第四次は、デジタル化、コンピュータ化、ネットワーク化、オートメーション化がなされ、AIを持つことでこれまでできなかったことができるようになる。また、これまで存在しなかった機器・サービスが出現し、より多くのビジネスが創造されると予想されている。
既に囲碁などの特定分野ではAIが人間に追いついている。今後は別の特定分野でも追いつき、その後は”汎用的にも”追いつき追い越す(シンギュラリティ)との予測もある。それが2045年だという説もある。アメリカには”シンギュラリティ大学”まであるという。
追い越されるかどうかは分からないが、AI時代はすぐそこまで来ており、現在はさしづめ「第四次産業革命”前夜”」といえよう。
では、”前夜”にわれわれ日本企業は何をすべきか。
時間を少し遡ると、1980年代にはわれわれは「勝ち組」だった。世界のベスト10に何社も入っていた。しかし、2018年現在は1社も入っていない。トヨタがやっと50位以内に顔を出す程度だ。
日本はインターネットで「負け組」だったのだ。
負けた原因は「戦略」にあると考える。スマホが発売されたとき、わが国のメーカーは一様に「恐れるに足らず」とタカをくくっていた。「部品のほとんどは国産だ。だから技術的には日本が勝っているんだ」と。しかし「お客様にとっての使いやすさ」という最も重要なことが欠けていた。技術的に良いものと「お客様にとって良いもの」とは別物だ。
この「お客様目線の欠如」という点は、”ガラパゴス”などの表現で頻繁に指摘されてきた。だからどの経営者も「そんなことは分かってるよ」とおっしゃる。しかし、掘り下げて聞くと、実は分かっていないケースが多い。他人の言ったことを”丸暗記”して分かった気になっている。だから実戦で応用が利かない。”頭”でなく、”体”で体得してはじめて実践に役立つ。
そのためには、自ら体を動かして「調べること」だ。たとえば、”現場にまかせることで経営者意識が育くまれる”などと言っては現場に出ない経営者が多い。現場に出ないうえに経営意思決定までまかせてしまっている。現場のうち、とりわけ”お客様のところ”に行かない。これではいくら「分かった」気になっていても、”体”で体得したとはならない。
もう一つは「危機感」だ。あのトヨタを成長させたのは、戦争に負けてこのままではアメリカ車に独占されてしまうとの危機感だった。他の日本企業も同様だ、危機感をもって必死に頑張ったことが、1980年代に「ジャパンアズナンバーワン」と言われるまでの成功につながった。しかし、そう言われて有頂天になり「危機感」を失くしたことが、その後の負けにつながった。
インターネットに比べれば、AIの方はわれわれに有利だと思う。
もともと米国防省の通信網から出発したインターネットとAIは誕生の経緯からして性格が異なる。そして、AIは自動運転など機械とセットのケースが多く、「ものづくり」の強みを活かしやすい。またビッグデータ解析など「緻密な作業」が多いのも日本に向いている。そして言語のデメリットも小さい。
だから、「お客様目線戦略」と「危機感」さえあれば十分に勝つチャンスがあると信じる。
私たちは、”第四次産業革命前夜”という時代に生きている。
この時代に生きられるということは、新たな革命に関与できるという「人類史上まれにみる幸運なこと」だ。
個々の企業のできる貢献は微々たるものでも、全体がまとまれば大きな力になると信じて、みんなで再び「ジャパンアズナンバーワン」を目指そうではないか。
私自身も、わが国から、AI時代版の「GAFA(Google Apple Facebook Amazon)に匹敵する企業」を誕生させるよう、心血を注いで経営戦略面で徹底支援することを生涯の使命とする所存である。
わくわく経営株式会社
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