新年にあたり
2019年1月16日
物流よろず相談所
新年明けましておめでとうございます。と言ってもこのメールマガジンがでるのは、松の内を過ぎているはずです。平成最後の新しい年をどのように迎えておられるでしょうか?
国内経済の緩やかな回復が、ようやくその波及効果を国民消費にも与えつつあるように思えます。社会や生活におけるIT化が加速し、メーカが消費者ニーズをそれに合わせて作っていく時代―、昨日を引きずるやり方がどれ程危険であるか、早く気付くことができる程、勝利も確実になってくるでしょう。時代と共にあるメーカ側の明らかな変化は、輸配送業界の現場にも、目まぐるしいばかりの必須改善となって及んでいるようです。
各企業が縦割りの壁を取り払い恒久的な消費の活性化を目指し、現場の最適改善を繰り返して行くことが理想。そのためにはまず1人1人が、ひとつずつ各現場で小さな改善を実行していく必要がありそうです。物流企業側の例としては今後も増えていくと予想される女性スタッフのために、そこで使用するピッキングカートやカゴ車を軽量化したり、個人専用のヘルメットを用意したりと女性に嬉しい細やかな配慮をすることで、気持ちよく仕事できる環境作りに成功できている処もあるといいます。会社の発展に欠かすことのできない人材、その定着が企業成長の大きなカギと言えそうです。
会社の力は現場力に現れます。現場を大切にして改善点を探る、という意味では各営業マンが収集する顧客からの情報も重要な意味を持っています。様々な業界において統合や変革が頻繁に行われる今、各メーカ共、商品の多品種化や物流を含むシステム変動などの対応に追われることが増えてきました。当然需要予測や生産計画も立てづらくなっている中、メーカと接する営業マンが直近の販売状況を基に重要予測のデータ修正を日々行なうことで、生産計画の変更に役立てることもできます。物流現場におけるマーケティングや営業活動は物流企業にとって深い関連性を持つものとして参考にしたいものですね。
お客様は一体どのような会社に満足を感じ、取引きを続けて行きたいと望んでいるのか・・・、企業にとって最も知りたいことのひとつでもあります。弊社調査においても毎回設けているこの質問に対し、ほぼ毎回1位となる答えが“社員の感じが良い”ことです。中小企業の割合が9割以上を占める物流企業では、その利益率も1%以下という厳しい経営状況にあるところも多いのですが、“コスト安”を押しのけて1位の座を守り続ける“メンタル面の満足度重視傾向”はやはり時代背景を映し出したものなのでしょうか?産業の変化に合わせて併走する全業界のオペレーションやシステムも進化し続けていかねばなりません。物流業界においても企業存続に欠かせないハード面充実としてトラックの機能にも日々進化が見られます。衝突回避や自動運転など運転機能が人に優しくなる一方で、企業担当者にとっての悩みは益々増えて行くようです。
物流量が不安定である中、企業によってはEC物流や引越事業など新規事業を強化しようとする動きも出ていますが、その時に必要となるのがそれらを支える情報システムです。またクーラーやインターネット、ケーブルTVなどの取り付け工事も付加価値として請け負う運送業者が多く、この仕事を一緒になってやってくれるところや、その営業活動を行ってくれるところを求めている、という例もあるようです。
物流業界全体における回復の兆しはまだ現実的でないと言っても過言ではありません。そのような中でも、確実な成長を遂げている企業の多くが、一括して企業の物流を受託する3PL(サードパーティロジスティクス)を展開しているというお話をさせていただいた事もありました。進路を模索しているところも、また成功を収めたところも、それぞれにそれなりのパートナーを求めています。今後の成長は次にネットワークにあると言っても過言ではないでしょう。自社で完成できないサービスをどのような企業と提携して提供できるか、これは大きなポイントでしょうね。