徒然日記

「駅名」に思いを馳せて

2018年11月28日

『徒然日記』 

 

白状(それほどじゃない!?)しますと、私の生まれ育ったところは、東京都台東区根岸という町で、最寄駅は、山手線(やまのてせん)29駅の中で一番乗降客が少ない「鶯谷駅」です。ちょっと古い統計数字ですが、1日の乗降客数最大は新宿の<212万人。乗換客含めると“329万人”>。それに対して、我が鶯谷駅は、たったの<46,473人>(対比で僅か<0.14%>)です。しかし、昔から文化人が多く住む「風流な町」として知られています。「根岸の里の/わび住まい」の上に<5文字>を乗せれば、立派な俳句が出来ると言われています。

文化人代表:俳人正岡子規の句に、「雀より/鴬多き/根岸哉」があります。この句は、私の母校「根岸小学校」の前に“句碑”となっています。「鶯谷」の由来ということです。

その句碑の有る「根岸小学校」は、昭和の爆笑王と言われた、故・林家三平師匠が「わが母校は“下町の学習院”」と、しばしば話されて、有名になりました(と思っていますが)。三平師匠の他に、何人かの有名落語家師匠がお住まいで、私も、「落語家になろうかな?」と思った時代がありました。その修行過程(?)で、隣駅の日暮里にお住まいだった、故・柳亭痴楽師匠の一番ネタ「綴り方教室:恋の山手線」を暗記していて、学生時代には、事ある毎に披露させられていました。

「彼女は綺麗な鴬芸者(鶯谷)、にっぽり(日暮里)笑ったあのえくぼ、田畑(田端)を売っても命がけ、こんな思いをこまごめ(駒込)と、愛のすがも(巣鴨)に伝えたい、おおつか(大塚)なびっくり・・・(長いので以下略)」・・・です。

ここで、やっと本題に入ります。なんで「表題」を思いついたかと申しますと、先日、新聞に、このような記事が出ていました。【京急電鉄が、72駅の駅名のうちの46駅名を、沿線に住む小中学生を対象に駅名変更案を募集した(創立120周年記念事業)。新たなイメージ作りが狙い。公表は19年春】といった趣旨でした。

時々駅前を通る「京急蒲田駅」の、目立つ駅名表示板に、なんと<京急かぁまたたたた-っ駅>と表示されています。この感覚というかセンスをお持ちなら、素晴らしい“新駅名”が出現すると期待しています。

その「京急電鉄」に関する話を披露します。ほとんどの方がご存じないと思いますが、私の子供の頃は、なんと「学校裏」という、「えつ!」と驚く駅名が有りました。現在の「平和島駅」です。

次に「北品川」があります。旧東海道品川宿の北に位置しますから、“北”がついても問題ないのですが、そのさらに北に「品川駅」があります。私が「応募可能の子供」なら、駅名応募で「もっと北品川駅」と行きたいところです。(残念ながら“品川駅”は、募集対象外)

東京の話しばかりで恐縮ですが、続けさせていただきます。東横線に「学芸大学」と「都立大学」という駅があります。現在は、どちらも“大学”はありません。駅名の由来となった東京学芸大学は1964年に、小金井市へ移転しています(東京学芸大学附属高等学校は当駅を最寄り駅として現存)。その隣の「都立大学」ですが、現大学名は“首都大学東京”です。しかし、「都立大学」の駅名は残されていました。ところが、首都大学東京は、「この名前じゃ存在感がイマイチだ」ということで、2020年4月より「東京都立大学」と名称を元に戻すこととしました。地元の方は、「先見の明があった」と胸を張っておいでです。ところで、この両駅とも「乗車客数」に対して「降車着数」が2倍あります。それって、「みんな、どこへ行っちゃうの!」ですね。チコちゃんに聞いてみましょうか。

変えない方では、話題盛り沢山の「東京卸売市場移転」に伴う、都営大江戸線「築地市場駅」ですが、「ブランドイメージがいい」(東京都:談)ということで、そのままとなりました。同様の理由から、JR鹿児島線「スペースワールド駅」も、2018年12月に閉演しましたが、「地元に親しまれている」ということで、駅名が残りました。

その一方で、「変えちゃおう」というところもあります。ゆりかもめ「国際展示場正門駅」は、この方がビッグネームだということで、来年<2019年>3月から、「東京ビッグサイト駅」となるそうです。

そして、茨城県龍ヶ崎市は、現在の「JR佐貫駅」を、20年春に「龍ヶ崎市駅」に変えちゃうことにしました。そのために、市は3億9千万円を上限に負担することで、JR東日本と合意したそうです。しかし、市としては、「道路標識」などの変更費用がさらにかかりますので、駅名を変えるって大変なことなんだなと思いました。そうですよね。「道路標識」以外でも、あちこちに表示してある“もろもろ”。思いつくだけでも、「佐貫駅」⇒「「龍ヶ崎市駅」に変更しなければならない“修正個所”はゴマンとあります。

そこで思いました。もし「東京駅」の名前を、例えば「江戸駅」に変えようとした時、駅名表示だけに絞っても大変なことになりますね。鉄道マニアの方にお尋ねしたいのですが、全国の各駅にある案内表示に、どのくらい<東京>が、書かれているかを知りたいところです。皆さんも、お暇な時間に考えてみてください。書き換えるとしたら、「龍ヶ崎市駅」で、約4億円ですから、全国の各駅舎内の分だけでも、天文学的数字になると思います。それって<何百億円?>とか<何千億円?>とか?「いやぁ、そんなもんじゃない」ですよね。

「くだらないことを考えるな!」。すみません。<himagine>ですので、ご勘弁を。

著者プロフィール

小泉武衡

職歴
 元 寺田倉庫株式会社 取締役


1964年より「物流業」に携わり、変化する“各時代の物流”を体得するとともに、新たな取り組みとして「トランクルーム」や「トータル・リファー・システム(品質優先ワイン取扱い)」事業に力を入れてきました。さらに、営業・企画・渉外・広報棟ほか、倉庫スペースを利用した「イベント事業責任者」などを歴任し、旧施設の新たな活用、地域開発、水辺周辺の活性化に尽力してまいりました。

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