物流現場改善支援に注力 JILS、23年度事業計画
Daily Cargo 2023年6月29日掲載
日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は28日、都内で定時総会を開催し、今年度の事業計画や役員体制などを承認した。今年度は「2024年問題」を控えて政府が物流革新に向けた政策パッケージやガイドラインを策定したことを受け、荷主・物流企業の物流現場改善の取り組み支援に注力する。総会後の懇親会で大橋徹二会長(コマツ取締役会長)は「これまでの取り組みに加え、商慣行の見直し、標準化、経営者や消費者への啓発、行動変容の促進といった難しい課題に対しても社会全体で対応しなければならない」と話した。
大橋会長は今期の取り組みとして、①2024年問題への対応と持続可能な社会の実現 ②人的資本経営の実現と企業価値の向上 ③LX(ロジスティクス・トランスフォーメーション)に向けた企業連携の推進――の3つの重点活動を行うとした。
①では物流革新に向けた政策パッケージの施策の1つである荷主・物流事業者の物流改善を評価・公表する仕組みの創設に対し、JILSが22年度に開始した物流現場改善の先進企業を認定する「物流現場改善優良認定制度」の活用を促していく。また、2050年カーボンニュートラルの実現等、物流領域でのSDGsの活動に取り組む企業を拡大するため、取り組み事例の収集や啓発を行っていく。
②についても、SDGsやESGが企業の経営指標として一層重視されていることから、非財務指標の1つとしてロジスティクスを経営戦略として有効にするための分析や調査を行い、物流面から産業界の人的資本経営を支援していくとした。
③について、大橋会長は「物流・ロジスティクスを成長産業、魅力ある仕事ととするため、物流やサプライチェーンの可視化、にデータドリブンなロジスティクスの構築が不可欠」と指摘。標準化や企業間連携を促進するため、連携・協創・交流の場としてオープンイノベーションラボの活動を推進していくほか、22年度に協会内に設置したSCM ACADEMY of JAPAN(SCM-AJ)の活動を推進していくとした。
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