物流品質向上には行動指針を具体的に示すこと
2023年4月26日
物流なんでも相談所 Vol.62
前々号において、物流現場の改善についてお話させていただきました。今回はその具体的な行動の指針を示すことが必要であることを説明させていただきたいと思います。
企業における生命線は品質であると言えます。物流企業においては当然、物流品質、すなわちサービスレベル。しかし、上からの指導だけで、品質向上は達成できません。全社一丸となって取り組むことでようやく、品質向上は実現できるものです。
品質を引上げるためには、目標やスローガンを掲げることは重要ですが、それがわかりやすいもので、行動に繋がるものでなくてはなりません。それぞれが意味するものは何か、社員一人一人が行動指針に照らし合わせてどの様な行動を取るのが正しいのかを判断できるものが必要なのです。その様な内容を企業の行動指針として示すことで、具体的な行動につながります。
社員が取り組むべき行動指針をどの様に示すことが正しいのか、スローガンには何を掲げ、目標をどの様に示すことが必要でしょうか、その事例を交えて考えてみたいと思います。社員の力を引き出すために必要な方法とは何でしょうか。さてその方法を検討してみましょう。
物流企業において品質を向上させ、他社との差別化を図ることが極めて重要です。しかし、そのための方法が上からの指導だけでは到底実現できるものではありません。経営者と社員、全社一丸となって取り組むことでようやく実現できるものです。そのために会社の経営指針や今年度の実施目標など掲げていつも行動や言動に照らし合わせる習慣を持つことが必要です。スローガンなどわかりやすいものになっていますか?行動指針は、本当に行動に照らしあわせることができますか?たとえばスローガンを掲げたら、それがどんなことを意味するかを明示することが必要です。スローガンとして“あすに向かって一丸となる”とした場合、これが具体的に意味するものは何なのかを示すのです。「コミュニケーション」の充実をはかることを重点課題とし、“一致団結”まずは思いやりから“協力する心”共力“真心込めてありがとう”創意工夫“皆で生みだす会社の未来”確実に誠実“目指せ地域一番の優良企業”をモットーに今、今日から出来ることを行うこと。
そのために「①どんな事も正直に報告・連絡・相談をする。②会社目標・個人目標を共有し達成させる」といった具合です。行動指針として“いつも笑顔でコミュニケーション”とした場合、「元気な挨拶で、気軽に話せて、みんなの事を知り、成長する。」「ゆとりの心で、思いやり!譲り合い!笑顔で接し!健康・安全第一で!真心込めて!お互いに励まし!5Sを実施し!互いにアドバイスをし!心の底から元気な挨拶を遂行していく」と加えておくと行動に移すことができます。これらのものに加えて、今年度の重点目標などを表示してみましょう。例えば今年度の重点目標を“5つのサービス基準と4つのチームワーク”として具体的な行動に結びつけるのです。こうすれば社員の理解は深まりより効果的です。5つのサービス基準①つねに相手の目を見て、笑顔で。 ⑥お客様の期待を上回る、触れ合う。②最高のサービスを提供する④お客様、すべてを歓迎する。⑤最善を尽くし、妥協しない。◎4つのチームワーク 1.与えられた仕事以上のことをする。2.協調精神を忘れない。3.お客様と同僚のコミュニケーションをとる。4.お客様に安心を与えつづける。ーなどです。
具体的な行動ができれば、あとは幹部が社員に対して、4Tの実践をすれば、品質向上は間違いなくできる様になります。4Tとは①手本、②手順、③テスト、④点検です。幹部が社員、上司が部下に手本を示し、そのための手順を教え、社員に実践してもらいそれをテストし、そしていつも行動されているかを折々に点検するのです。こうすることで、より品質が高まっていくことができるはずです。物流品質の向上には具体的な指導がなくては無理なことでしょうね。