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長期ビジョンと新中計を策定 川西倉庫、30年度に売上高320億円

Daily Cargo  2022年5月31日掲載


川西倉庫はこのほど、2030年度を目標とした長期ビジョン「KAWANISHI 2030」と、2022年度から24年度までの3年間を対象とした中期経営計画「Vision2024 物流イノベーションへの挑戦」を策定した。

同社は18年に創業100周年を迎えたが、社会で新型コロナウイルス感染拡大やデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速するなどして、それらの課題に取り組むため長期ビジョンを策定した。長期ビジョンは3つのフェーズで構成。フェーズⅠ(22~24年度)では、財務基盤を強化して、新設した倉庫に対する集荷機能による早期安定稼働を前提に、成長戦略の施策を策定する。フェーズⅡ(25~27年度)は新しい取り組みを一気に進める時期で、フェーズⅢ(28~30年度)は成長戦略の施策が成就する時期と位置付けた。

業績目標は、30年度に売上高320億円、営業利益20億円、営業利益率6.3%、純利益14億円とした。投資計画として、既存施設の再構築に約20億円、基幹システムの再構築で約10億円、成長に向けた戦略的投資に約70億円と、合計で約100億円を予定している。

長期ビジョンのフェーズⅠに当たる3年間を中期計画とした。基本戦略で、「既存事業の拡大・強化」では、物流センターの機能拡充、スマート倉庫、スマートロジスティクス構想の検討を掲げた。物流サービスの強化やVMI倉庫も提案する。新設倉庫の安定稼働と集荷強化を図る。海外物流では、インドネシア倉庫第二期増設(今秋開業予定)の安定稼働と集荷強化、北米域の物流強化、ASEAN域内の物流強化、新規地域貨物の取組強化を盛り込んだ。通関体制も通関士を増強して通関業務の品質向上と取扱件数を増加させる。

「成長に向けた取組と戦略的投資の調査研究」では、次世代型荷役機械装置や業務効率化ツールの検討、次世代型物流倉庫の検討、GDP倉庫・運送の調査検討など挙げた。「社内体制の強化」では、ペーパーレス化促進によるオフィスワークの改革、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など省人化寄与のシステム導入で業務を集約、コンプライアンス強化、労働力不足に対応した人財戦略の強化など掲げた。24年度の連結業績の目標は、売上高260億円(22年3月期236億円)、営業利益12億円(7億8400万円)、営業利益率4.6%(3.3%)、純利益8億4000万円(5億2400万円)。


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