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新中計で経常益165億円 丸全昭和運輸

Daily Cargo  2022年4月1日掲載


丸全昭和運輸は3月28日、新たなグループ中期経営計画(対象期間は23年3月期~25年3月期)と31年3月期に向けた長期ビジョンを策定したと発表した。新中計で最終年度の連結業績目標は、売上高1650億円(22年3月期連結業績予想1350億円)、経常利益165億円(同110億円)とした。グローバル物流事業では、海外現地法人の事業および海外ネットワーク活用による国内事業のそれぞれ拡大を図る。

22年3月期までの3カ年の中計では、経営目標の売上高1350億円、経常利益110億円は達成の見込み。既存荷主からの新規案件獲得などで3PL事業が拡大した。一方、新型コロナウイルス禍の影響もあり、グローバル事業について、海外売上高の拡大で課題が残った。

新中計では、今後の成長が予想される業界・分野をターゲットとし、3PLサービスのさらなる高度化や物流プラットフォーム(PF)による新サービスの提供で事業拡大を図る。成長ターゲットは、①成長産業②既存顧客のシェア拡大③差別化分野④新規事業――の4点。そのうち①では、ロボット、医療機器、半導体製造装置、半導体材料、蓄電池、電子部品および産業機械の7業界向けの営業拡大を図る。③ではすでに提供中で、差別化できている、農産物関連物流サービスおよび危険物輸送網を強化する。④では新エネルギー関連やリバースロジスティクスでの事業展開を図る。

事業競争力の強化では、グローバル物流事業拡大のほか、「3PL事業の拡大と高度化」、「物流プラットフォームの確立」および「ロジスティクス事業の拡大」に取り組む。3PL関連では、3PLを発展させた独自のLLPサービスの名称を「MALoS(マロス)」(Maruzen Advanced Logistics Solution=丸全版先進的物流ソリューション)とし、コンサルティングを拡大する。期間中の投資額は、設備向け250億円、デジタルトランスフォーメーション(DX)向け100億円およびM&A(企業の合併・買収)向け100億円とした。M&Aは国内企業を対象とする。

長期ビジョンでは目指す姿は、「テクノロジーと現場力で、顧客の未来を創造するロジスティクスパートナー」とした。基本戦略のうち、グローバル物流の拡大に向けては、自社拠点の拡大や海外物流企業とのアライアンス強化およびグローバル管理体制の強化を進める。また、DXによるビジネスモデルの変革を進め、情報活用型へ転換する。データを利用した独自のLLPを展開するほか、業界別PF構築によるエコシステムの実現を図る。さらに、SDGs(持続可能な開発目標)をビジネスとするため、カーボンニュートラルや循環型社会に貢献する物流を構築する。再生可能エネルギーや新エネルギー分野への参画も図る。


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