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売上高物流比5.7%、過去最高を更新 JILS・21年度物流コスト調査

Daily Cargo  2021年12月28日掲載


日本ロジスティクスシステム協会(JILS)がまとめた2021年度物流コスト調査によると、売上高物流コスト比率(物流コスト金額÷売上高)は全業種平均で前年度比0.32ポイント増の5.70%。直近20年間の調査結果で過去最高を更新した。労働力不足によるトラック運賃の値上げや荷役費の上昇が要因として考えられるという。

同調査は、物流子会社を含む荷主企業を対象にアンケートを実施し、回答企業の売上高物流コスト比率の平均値などを整理した。調査期間は21年7~12月。195社から有効回答を得た。なお、データの対象期間は調査時点における直近の決算期とし、20年度(20年4月~21年3月)の回答が3分の2程度を占める。調査期間は新型コロナウイルスの感染が拡大した時期とも重なっており、コロナ禍による物流コストの影響も現在分析を進めている。

21年度調査における売上高物流コスト比率は、業種別で製造業・小売業が増加した一方、卸売業は減少した。製造業が0.18ポイント増の5.66%、非製造業が0.64ポイント増の5.80%、卸売業が0.03ポイント減の5.54%、小売業が2.34ポイント増の3.74%だった。

同一サンプルによる前年度との比較が可能な「2年連続回答企業」162社では、全業種平均で0.07ポイント増の5.61%。業種別では、卸売業が0.34ポイント増の5.51%で最も上昇率が高かった。

値上げ要請の有無については、回答企業169社のうち66.9%が要請を受けたと回答した。値上げ要請を受けた企業の割合は16.1ポイント減少した。値上げを要請された主なコストの種類は輸送費と回答した割合が89社と最も多く、荷役費が54社と続く。輸送比の値上げ要請については、やや勢いが落ち着いた一方、荷役費や保管費は昨年と同水準で値上げ要請が続いているという。なお、値上げ要請を受けた企業113社のうち86.7%の98社が「応じた」と回答。値上げ要請に応じた企業の割合は9.1ポイント減少した。

物流コストなどの見通しについては、21年度は売上高が回復基調となり、物流量、物流コストともに増加するとした。物流単価はコロナ禍を通して19年度から一貫して増加傾向になると予測している。


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