― 新型コロナの発生後、御社はどのように対応したのか。
(新村社長)衛生面では不要不急の外出をやめさせたほか、マスク着用を義務付け、会社にある在庫を配り続けてその後は自己調達してもらっている。消毒液による手洗いも義務付け、本社事務所も1時間に1回消毒した。現場では検温を毎日行い、点呼を1人ずつ順番にやるようにした。毎日の朝礼や会議は以前からZOOMでやっており、午前中に交通安全情報や地域の情報をLINEで発信している。2週間に1度の営業会議は、マスクを着用しリアル会議で行っている。今年は一か所に集まるような行事が特にないので、ツールを使って簡素化、効率化を推進し、会社と社員との意思疎通を図っていきたい。業務的には取り扱いが減った業種を担当する車を増えた業種にシフトして何とか乗り切れた。
― 新型コロナが発生した後、採用など人手事情に変化は起こったか。
(新村社長)当社は女性採用に力を入れていることもあり、もともと定期採用がうまくできて、新型コロナ以前も年20人ほど採用していた。しかし、コロナ発生後はそれ以上に応募が増えて、この4か月で100件近くあった。面接もZOOMやLINEでやるようにしたら、遠方からの応募者が増えて採用できたのは収穫だ。
応募は未経験者が40%ほどと多く、女性も積極的に採用したことで、今はドライバーの26%が女性だ。また、年齢も20歳代が2割くらいになり、60~70歳で退職する人の入れ替わりも進んでいる。
― 新型コロナで働き方改革に影響はあったか。
(新村社長)働き方改革について影響は特にない。2024年までに残業時間を毎年10時間ずつ削減していく計画を立てており、これに合わせて毎年基本給を10時間ずつ上げている。ただ、顧客によってはまだできないケースもあり、なるべく9時間労働でやれるよう協力を求めている。
― これからはウイズコロナ時代になると思うが、それに向けての方針や事業計画は。
(新村社長)今後はニューノーマルがスタンダードとなり、物流は以前のようには戻らず淘汰の波が押し寄せるという気で活動していく必要がある。特にこれから2~3年は競争が厳しくなると想定して、M&Aを含めたネットワーク作りに取り組んでいく。首都圏では神奈川で今年7月、3か所に分散していた車庫を藤沢市葛原に1700坪の土地を買って倉庫を建て集約した。千葉には拠点があり、今後は埼玉に進出していくつもりだ。さらに地方に目を向け名古屋、大阪、福岡の大都市に営業所を設置していきたい。営業的には伸びる業種を見極めて、軽貨物をやり始めた。赤帽などに委託すると手数料負担が大きいので、自社でやっていく。ゆくゆくは3PLもやっていきたい。
(聞き手:葉山明彦)