コロナ後を生き抜く“一気通貫経営”
2020年9月16日
「愛と繁栄を実現する経営改革」
業績の良い会社と悪い会社を見分けるには、社長様の言葉を1分間聞けば分かります。「貴社はどういう会社ですか」と質問しますと、業績の良い社長様からは必ず「お客様のために」との言葉が出てきます。例えば「当社はお客様の要求に誠心誠意お応えいたします、具体的には・・・」などです。
会社の目的は「お客様の要求にお応えし満足いただくこと」にあります。ほとんどの会社がそれを「顧客第一」との表現で「経営理念・ビジョン」に掲げています。しかし、掲げていても実践していない会社が多いのが実態でしょう。
以前、某経営計画ソフトベンダーに質問したことがあります。「経営計画を立てるにあたってまず経営理念・ビジョンを作れとおっしゃるが、その経営理念・ビジョンと経営計画とをどうつなげるのか」と。そのベンダーは答えられませんでした。経営理念・ビジョンというものを経営計画とは無関係な単に形式的なものとしか捉えていなかったからです。
正しくは、顧客第一の経営理念・ビジョン→経営戦略→経営計画→個々の行動指針までを一本のロジカルストリームとして貫くことです。
最も基本的なところ(顧客第一の経営理念・ビジョン)から説き起こして、そのためにはこうすべきだ(経営戦略)と一つブレイクダウンし、それをさらに全社目標数字(経営計画)にブレイクダウンし、最終的に各部署の行動(個々の行動指針)までを論理的に一貫してつなげること。この「経営一気通貫」を実行すれば、必ず会社は良くなります。
名経営者と言われる人は、みなさんこの一気通貫経営を確立されています。
松下幸之助氏の経営哲学も、キーエンス創業者の滝崎武光氏の現場経営も。キーエンスの創業者の滝崎武光氏は、常に現場の担当者に「君が今やっているその仕事は何のためにやっているか」と質問して回りました。その狙いは、社長方針を各社員の個々の行動に至るまで「一気通貫」に浸透させることにありました。
「一気通貫経営」のメリットは、第一に社長自身がブレなくなることです。上述のソフトベンダーのように、経営理念・ビジョンがかけ離れていたのではブレます。論理的に一貫してはじめてブレなくなります。
メリットの第二は、相手を説得しやすくなることです。例えば、ある事業から撤退しようとすると必ずその事業に携わっている社員からの抵抗に遭います。しかし、ロジカルストリームをもって説明されるとそれ以上抵抗し辛くなります。
メリットの第三は、変化に柔軟に対応できる企業体質をもたらしすことです。社員としてはブレない社長の方がやりやすいです。そういう社長の下なら納得がいきヤル気が高まります。そして社長の言うことを聞くようになり、その結果変化に対応せよとの社長の要求に抵抗なく就いてくるようになります。
コロナ禍以前の”平時“には、「一気通貫経営」などなくても、とくに問題なく済んでいました。経営理念なんて「お題目」だ、経営計画なんて「どうせそのとおりに行かないから作ってもムダ」との姿勢でも。
しかし、これからの「新しい生活様式」時代にはそうはいきません。
ぜひ「一気通貫経営」を実行して勝ち組企業を目指しましょう。
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