国交省関東地整局・衛藤謙介港湾空港部長会見 港湾空港整備で首都圏の成長を
Daily Cargo 2020年9月7日掲載
国土交通省関東地方整備局の衛藤謙介港湾空港部長は4日、横浜市内で就任会見を行った。就任の抱負として、「働き方改革や生産性向上の必要性、工事安全という視点を大切にしながら、一つ一つのプロジェクトを着実に取り組んでいく。港湾空港部長という立場で、こうした仕事ができる環境づくりにも努めていく」と述べた。
衛藤部長は「関東地方整備局は、首都圏の港湾・空港の整備を通じて、日本と世界とのネットワークを構築し、世界の活力を取り込んで首都圏の成長力を伸ばす役割を担っている」と説明。「デジタル・グリーン・防災の3本柱で、港湾・空港の機能強化を進めていく」と意気込んだ。
具体的に推進していくプロジェクトとして、横浜港の国際コンテナターミナルの再編整備事業と、東京港の中央防波堤外側CT「Y3」の整備、川崎港の臨港道路東扇島水江町線の整備事業、千葉港の千葉中央地区複合一貫輸送ターミナル整備事業、茨城港・常陸那珂港区国際物流ターミナル整備事業、羽田空港のアクセス鉄道整備、滑走路などの耐震性強化を挙げた。
足元では、新型コロナウイルスの影響で国際線の航空運航便数が大幅に減っている。衛藤部長は今後の見通しについて、「国際的な人の交流は無くなっているわけではないので、時間が経てば需要は確実に戻ってくる」と説明。これを踏まえ、アフターコロナの空港機能強化の方針について、「羽田空港の機能強化はこれまで、飛行ルートを見直して4本の滑走路をフルに活用することを目指して取り組んできた。残念ながら現在は需要が減少しているので、まずは4本の滑走路をフルに活用していくことが課題となる。その先にさらなる拡張などがあると思う」と述べた。陸側の施設についても、「ターミナル機能やアクセス機能の強化にも取り組んでいく」と強調した。
港湾における自然災害対策については、8月に交通政策審議会が答申したハード・ソフト一体となった総合的な防災・減災対策のあり方に基づいて準備を進めていく。衛藤部長は「過大な整備をするのではなく、状況を捉えて、想定を超える災害があっても物流機能を止めないように対策を検討していく」と説明。「『災害が起きて復旧する』というサイクルは止める。いかに先手を打つかが重要だ」とし、ハード・ソフト両面から先手の防災・減災対策を心掛けていく考えだ。
デジタル化に関しては、今年度中に横浜港で新・港湾情報システム「CONPAS」を本格運用する方針だ。「多くの人に利用してもらうことで、ますます使いやすくなる。利用者の協力を得ながら使いやすいシステムを構築していきたい」と述べた。
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