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緊急事態宣言 港湾オペレーション継続へ 感染防止策は徹底

Daily Cargo  2020年4月8日掲載

 

安倍晋三首相は7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、緊急事態宣言を発令した。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県が対象となり、期間は1カ月程度を予定。特別措置法に基づいて対象都府県知事は外出自粛や施設利用の制限など必要な協力を求めることができるようになる。一方、物流サービスに関しては、「経済活動などを維持するべく、必要な輸送機能の確保に全力を挙げる」(赤羽一嘉国土交通相)方針で、コンテナターミナルなど対象地域の港湾物流施設についても、感染防止に務めながらオペレーションを継続する見通しだ。

緊急事態宣言の発出に関して港湾関係者からは、「作業員の通勤に支障が出る可能性がある」といった懸念が上がっていた。海外港湾では都市封鎖(ロックダウン)により、作業員が通勤困難になることで作業効率が低下し、バース混雑が発生している事例も出ている。また、引き取りが滞り、貨物滞留が発生しているケースもある。だが、日本の緊急事態宣言は海外で行われている都市封鎖とは異なり、道路を封鎖する法的根拠はなく、公共交通機関も運行を継続する予定だ。そのため、都市封鎖を実施している海外諸国の港湾と比較すると影響は大きくないとの見方が強い。

一方で、港湾労働者の感染防止が大きな課題だ。「作業員が一人でも感染すればギャング全体にも影響し、最悪の場合、荷役が止まる可能性がある」(港運関係者)との懸念が上がる。緊急事態宣言発令後も感染防止対策を徹底した上で港湾オペレーションを継続する方針だが、各社は感染防止と事業継続の両立に向けた具体的な方策の検討・実施を進めている。

こうした中、全国港湾労働組合連合会(全国港湾)と全日本港湾運輸労働組合同盟(港運同盟)は3日、新型コロナウイルス感染拡大と緊急事態宣言時への対応などについて、日本港運協会、国土交通省、厚生労働省に緊急の申し入れを実施した。「感染リスクに晒されながら働かざるを得ない港湾労働者の安全確保を一義とし、港湾運送事業の社会的役割を発揮するために、緊急の対策と速やかな実施が重要」だと強調した。具体的には、適切な感染防具の配備や感染予防策の徹底と実施環境の整備、感染者の不利益扱いの禁止などを要請。緊急事態宣言発出時についても、事態に対する港湾運送事業の対処方法について具体化したガイドラインの策定や、雇用維持のため、事業主負担なしの補償措置などを求めている。


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