「消費税10%時代」を考える
2019年10月9日
『徒然日記』
申しあげるまでも無く,10月1日から「消費税」が<10%>に引き上げられました。食品は<8%>のままだが,お酒は<10%>というこいとで、呑兵衛は、「500CCの缶ビール1本」で約5円の値上がりになると計算して、慌てて買い込みましたが、醒めて思うに、たとえば,毎日1本飲んでいたとしても(「ビール」だけなら、そこまでは飲まない)、1日飲まなければ60日分の消費税値上がり分に相当しますから、一寸の我慢で「もとが取れちゃう」ことになります。
東京の某区に住む知人が、「1週間以上前から,トイレットペーパーが品切れになっている」と言ってきました。そこで「ビール式方法」で、計算してみました。<一巻き60m>で<40円>とします。確か<20cmおき>にミシン目が入っています。細かな話になりますが,1回に<60cm>使用したとすると<67銭>になります。したがって<2%相当>は、<1銭2分5厘>となります(しかなりません!?)。いかがお考えでしょうか?
勿論、「塵も積もれば山となる」(大智度論)や「1銭を笑う者は1銭に泣く」という故事があります。<2%>を素直に認めるつもりはありませんが、世事に疎いせいか,ボケのなせる技か,消費税初導入から何度かのアップに至る、これまでの思いと違って,今回は、買いだめをしませんでした。
その消費税ですが、過ぎ去った昔に思いを馳せてみます。1971年1月大平正芳首相(当時の。以下同じ)が「一般消費税導入」を閣議決定しましたが,総選挙中に導入断念。にもかかわらず,自民党は過半数割れとなりました。「消費税」のことなど忘れかけていた1989年4月、竹下登首相により「消費税法施行」<3%>適用が始まりました。そして1994年11月、眉毛が印象的な村山富市首相時に<4%>に。さらに、1997年4月橋本龍太郎首相によって<5%>となりました。
そのような経緯を経ての2014年4月安倍晋三首相(この方は「当時」ではなく「現在の」ですね)によって<8%>に引き上げられました。安倍首相は2015年以降もたびたび「値上げ札」をちらつかせていましたが実現に至らず、今回の実施となりました。
そこで、思い出したのですが、我が国でまだ「消費税」が導入されていなかった時期に、アメリカで買い物をしたときに<6%>とか<8%>とかの<税>を払わされました。後に「あれが“消費税”だったのか?」と思っていましたが、アメリカの場合は「小売売上税」だと言うことが分かりました。
いまさら「釈迦に説法」で申し訳ありませんが,話しを整理するために述べさせていただきます。「消費税」は、「メーカー」「卸」「問屋」「小売業」「消費者」とそれぞれにかかり、売った先から頂戴して買った先に支払うというもので、頂戴した「預かり消費税」を「運用資金に一寸借りた」とか「ネコババした」と言った問題が取り沙汰されています。
アメリカの「小売売上税」は文字通り「消費者への小売り段階」で掛けられている<税>です。アメリカは合衆国ですから「州」の独立性が認められていて、この「小売売上税」も州によって異なっています。実際私も「あの州(正式にはあの都市)では<6%>だったのに,この州では<8%>なんだ!」と言うことがしばしばありました。
あとで調べてみましたら、アメリカで一番税率が高いのは「カリフォルニア州」で<7.25%>。ニューヨーク州とハワイ州は<4%>で、オレゴン州とアラスカ州は<0%>だそうですが,たとえば「サンタモニカ市」の場合「カリフォルニア州:7.25%+ロサンゼルス郡:1.5%+サンタモニカ市:0.5%=9.25%」となるそうです。そして、ニューヨーク市は:8.875%。それじゃあ,高い州の人は、安い州(ゼロの州)で買い込んで来れば良いじゃ無いか・・・?と思うのですが、カリフォルニア在住の知人は、だからといって、ハワイまでは買いに行きませんよ」と言っていました。当たり前!さらに、企業が他の州で買った場合は、<Use-Tax(使用税)>を自分の州に払うそうですから、「逆お持ち帰り」ですね。
と言うことですが、「消費税の話し」に戻りますと、我が国では<10%>か<8%>か?で、大騒ぎをしており、さらに、「なんとかペイ」とか「キャッシュレスで “ポイント”還元」といった、高級戦略があるようですが,ボケ老人はなかなか、その“ポイント“を捉えられません。
<10%>ってすごいよね!と思っていましたら,世界には遥かに高い率の国があるんですね。「ハンガリー(27%)」「デンマーク・スウェーデン・クロアチア・ノルウェー(25%)」「フィンランド・アイスランド(24%)」「ギリシャ・アイルランド・ポーランド・ポルトガル(23%)」と軒並み並んでいます。・・・で、低い方は、「台湾・カナダ(5%)」「マレーシア(6%)」「タイ・シンガポール(7%)」「スイス(8%)」「オーストラリア・韓国・カンボジア・インドネシア・ラオス・ベトナム(10%)」となっています。
「消費税率の高い低い」と、それに対する「国民の思い」。またの機会に述べさせていただきます。
ということで・・・<5円>損しなかった「缶ビール」でカンパイ!