経営者インタビュー「物流最前線をみる」

人を大切にする会社の育成を / 売上に走らず人間力で品質向上

経営者インタビュー ~物流最前線をみる(12)~
ILRS-NEWS Vol.465

 

株式会社AZUMA 上田裕子 社長

御社にとって重要な経営課題は何か。

(上田社長)私は人を大切にする会社を作りたい、そういう会社に育てていきたいとずうっと考えてやってきたので、それを実現することである。ある時期、経営者としてもっと勉強しなければと思い、稲盛和夫先生(京セラ創業者)が主宰する盛和塾に入ってブレない経営に必要なことや、おごらない心を忘れてはいけないことなどを学び、中小企業同友会で経営指針労働委員長を5年務めさせていただいた。人を大切にする企業理念を掲げ、熊本の商工会議所から震災前に会頭賞をいただいたが、その後熊本は大震災に遭い、立て直しに追われた。いま復興に向けて落ち着いてきたので、今回再度エントリーしている。先日、経営学者の坂本光司先生(人を大切にする経営学会長)の講演で人を大切にする企業の意義をお聴きし、私のやってきたことは間違っていなかったとの思いを深めている。

― ドライバーの安全対策はどのように対応しているのか。

(上田社長)全社的な年間の方針発表会、安全大会を各年1回開いているほか、各部署単位では定期的なミーティングや講師による研修など行っている。ミーティングでは中小企業同友会の進行バージョンに沿って、事故事例を各グループで議論し、リーダーが発表している。このほか安全衛生委員会、車両管理委員会など委員会活動を通しての安全対策も行う。女性の編集による社内報を四半期ごとに発行し、啓発も行っている。

― 人手不足や働き方改革についてどう対応されているのか。

(上田社長)人手不足に関して、九州では他地域で言われるほど不足感はなく、高齢者はいるが、夜間配送をなくせば若者も入ってくる。会社としては人を大切にすることを第一にしており、決して売上主義に走らず、品質を保って労働時間を短くすることを考えている。そうすれば事故も減るし、人間力も上がって品質向上につながる。女性ドライバーの活用については、成功している企業の事例を参考にさらに進めていきたい。

(聞き手:葉山明彦)


株式会社AZUMA
熊本県上益城郡嘉島町井寺225-1 

代表取締役  上田 裕子
ホームページ http://www.azuma-inc.com/

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