異業種3社でフェリー共同輸送 関光汽船が手配、関西-九州間で
Daily Cargo 2019年7月18日掲載
キユーピー(本社=東京都渋谷区、長南収社長)、サンスター(本社=大阪府高槻市、吉岡貴司代表取締役)、日本パレットレンタル(JPR、本社=東京都千代田区、加納尚美社長)は18日から、関西-九州間でフェリーとトラックを組み合わせた3社共同輸送を開始する。関光汽船(本社=山口県下関市、入谷一成社長)が全行程の輸送を手配し、海上輸送は阪九フェリーを起用する。共同輸送を通じて3社の物流拠点を効果的に回ることで、空車を減らし、約99%の実車率を維持する。船舶へのモーダルシフトや輸送効率化により個社単位での輸送と比較してCO2排出量を約65%削減するほか、ドライバーの年間稼働時間を2256時間削減できる見通しで、ドライバーの労働環境の改善も期待される。
これまではキユーソー流通システムがキユーピーの加工食品を、サンスターが日用雑貨を、各社それぞれで近畿地方から九州向けに陸送していた。しかし、キユーピーのマヨネーズやドレッシングなどの加工食品は、重量があるため、トラックの容積を使いきれない一方で、サンスターが輸送するハブラシなどの日用雑貨は、軽いがかさばるため、容積勝ちする傾向にあった。各社単独で物流効率化を図るには限界があったことから、さらなる効率化に向けてキユーピーとサンスター、JPRの3社は昨年11月から共同輸送の検討を開始。今年1~6月のトライアルを経て、今月18日から本格的に共同輸送を行うこととなった。
今回の共同輸送では、関光汽船がグループの阪九フェリーの神戸-新門司航路と泉大津-新門司航路を活用して、関西から九州向けに加工食品と日用雑貨を混載で輸送する。10トントラックから13メートルセミトレーラーに切り替え、重量品と軽量品を組み合わせて積載することで、車両空間を有効活用し、より多くの商品を輸送する。九州発関西向けの復航ではJPRの輸送用レンタルパレットを積載する。これにより、空車回送を大幅に削減し、効率化を図る。同取り組みは改正物流総合効率化法に基づき、国土交通省から計画認定を受ける予定だ。
キユーピーやJPRは現在、物流の効率化に力を入れており、異業種の共同配送も実施している。昨年8月にはキユーピーとJPR、ライオンが関東-四国-九州間の商品物流で、オーシャントランスのフェリーを活用した共同配送を開始。関光汽船が同様に全行程の輸送を手配している。同取り組みについても物効法の計画認定を受けている。
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