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入出庫・棚卸でRFID試験導入 豊田通商、自動車部品に適用

Daily Cargo  2019年6月3日掲載

 

豊田通商は先月30日、子会社の豊通物流とともに、RFIDタグを活用した入出庫・棚卸システムの試験導入を開始したと発表した。従来、RFIDの導入が難しかった自動車部品に適用。AGV(無人搬送車)と組み合わせ、入出庫・棚卸業務の効率化につなげる。4月に自動車部品物流を行う豊通物流・第2三好センター(愛知県みよし市)に開始。海外の各物流拠点との連携を視野に、インドネシアの物流拠点 TOYOTA TSUSHO LOGISTIC CENTERでも、RFID導入プロジェクトを立ち上げた。
 
一般的に自動車部品は材質・形状が多岐にわたり、特に金属製品が多いため、電波を利用したRFIDの利用は、電波の乱反射や金属による電波干渉により、RFIDの読取精度が低くなるなどの課題があった。豊田通商ではRFID導入に際して2年間検証を行い、入出庫時のRFIDタグ読取りシステムと、AGV(Automatic Guided Vehicle/無人搬送車)とRFID読取装置が一体となった「棚卸用AGVシステム」を製作、試験導入した。

同システムでは、倉庫搬入時に各梱包箱にRFIDタグを貼付し、作業工程毎に入庫予定リスト、在庫リスト、出荷予定リストとRFIDタグの読取結果の照合を行う。特に棚卸業務について、倉庫棚の高い位置に保管されている商品の実査棚卸では、従来フォークリフトなどで床面に降ろして棚卸を実施し、再度、棚に戻すといった作業が必要だったが、棚卸用AGVシステムを導入することで、高さ6mの倉庫棚にあるタグまで自動で読み取ることができるようになる。在庫品を床面に降ろさずに棚卸作業を完了でき、作業の効率化が実現する。今回、試験導入した第2三好センターでは、1回の棚卸に8時間程度を要していたが、8分の1まで短縮できたという。

今後は、インドネシアでのプロジェクト開始を皮切りに、複数の海外物流拠点も導入を進める。グローバル展開に向けた課題や改善点を実作業を通して洗い出し、本格導入に向けた検証を行っていくという。同社は国内外の物流拠点をつなぎ、サプライチェーン上の自動車部品の在庫数可視化、受発注・在庫管理の高度化を進め、物流機能とサービス品質向上を図っていくとしている。

新システムの開発・導入は人手不足対応やグローバルで課題となっているサプライチェーンマネジメント強化に向けた働き方改革やITの技術活用の一環。同社は、自動車メーカーの海外生産拡大とそれに伴う部品メーカーの海外進出を背景に、世界28カ国で事業を展開している。


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