2019年の船出は?
2019年1月30日
物流よろず相談所
平成最後の新年を迎えました。昨年を表すことばが“災”であったように日本列島全体を自然災害が吹き荒れた1年でもありました。様々な期待と不安の中、2019年がスタートしました。本年10月に消費税増税、来年には東京オリンピック開催等どことなく未来的な響きを持った2019年という数字に、現実がオーバーラップします。産業・技術や経済は果たして理想通りに進展して行くのでしょうか。今のところ政権が打ち出す政策は、どことなく政策論に終始し、経済を立て直すべき抜本的な改革は遅れがちの様です。
とにもかくにも、今は無事に新年を迎えたことを明るい話題と致しましょう。これまでにない企業倒産が相次ぐ程、厳しい幕開けではありますが、本年も皆様の御活躍、ただ切に願うのみであります。
日銀が再び物価見直しを引き下げたことにより、市場では更なる追加緩和策を懸念する声も囁かれるようになりました。今年度原油価格の下落傾向も予測される中、ガソリン及び関連商品の価格安が消費拡大につながるとの見方はもはや少数派でありましょう。賃上げの動きも景気への期待値としては鈍く、全般的に不安の方が上回る残念な幕明けとなった2019年、物流業界にとっても、未解決課題が数多く残る、少々雲多き年の始まりとなってしまったようです。
2019年、国内企業経営の幕明けは、加速する人材不足問題との闘いで始まりました。物流業界におけるトラックドライバーの不足はとりわけ深刻で各企業が掲げる戦略の多くが足りない人手を補う効率化ベースで組み立てられているようでもあります。進化を続けるAIの技術も、省力化を良しとする業界においては許される限り取り入れていきたいものですが、これには越えなければならない高い壁も多いようです。ただ、政府が推奨する超スマート社会(必要な物、サービスを必要な時に必要な人へ、必要な量だけ提供できるムダのない快適な社会)について昨年経団連が述べたレポートによると、とりわけ物流業はこの提言が目指す近未来の最先端技術ととても新和性が高く、よって大きな躍進が期待できる分野である、ともされています。いずれにせよ働き手が今後も減少していく事は全産業共通の深刻な問題である以上、ここで立ち止まったまま我が身を憂うる時間は1秒もないはず。今一度自社がいかに希望に満ち、魅力的な会社であると訴えることができるか、働き手の気持ちになって見直してみたいものです。
日貨協連が運営するWebKITでは、今尚登録情報、制約件数が急増、運賃指数も昨年を上回り続けているとのこと。輸送重要はここ数年来あまり変化していなくとも、ドライバー、トラックの供給量が圧倒的に不足している現状が改めて浮き彫りになってきているようです。この様な中、経営のかじ取りは、まず確かな人材育成方向に切ることで、誤りないという気がいたします。人と現場を改めて見直し、生産効率上昇を重視した戦略で足元を固めた上で、ひとつハードルを上げた挑戦を始めることに致しましょう。